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最近話題の2ナノ半導体とは?なぜ注目されているのかを解説

  • 最新動向
公開日:2024.09.03

テレビやネットでもRapidas(ラピダス)のニュースや、2ナノ(nm)半導体など、よく見かけますね。

 

2ナノ半導体ってこれまでより小さな半導体になるのは想像ができるけれども、それ以外の事が何が違うのかよくわからないですよね。

そこで今回はこの2ナノ(㎚)は何で注目されているのか、半導体市場の影響や2nmの世界になると何が変わるのかなどを解説していきます。

 

ぜひご覧ください。

 

 

 

そもそも2㎚(ナノメートル)半導体とは?

 

 

 

半導体技術は急速に進化を遂げていて、その最先端技術を使ったのが「2nm(ナノメートル)」プロセスになります。この技術によって、次世代半導体製造にとても重要な役割を果たすことを期待されて注目されています。

 

2ナノ半導体とは、まだ世界で実用化されていない最先端の半導体です。半導体は回路が細かい方が高性能であり、おもにスーパーコンピューターや人工知能(AI)向けに活用できます。

 

 

 

なんでこんなに注目されているの?

 

およそ34年前の1990年では世界の半導体シェアの上位10社中日本企業が6社も入っていました。その当時は日の丸半導体と呼ばれ世界をけん引していた時代がありました。

その当時は、半導体の設計から製造、販売に至る一連のプロセスをすべて行う垂直統合型の企業が主流で、日本も垂直統合型がほとんどでした。

垂直統合型で、ある程度の技術が確立されたこともあり、徐々に設計・製造・販売などの半導体産業の各プロセスがそれぞれ専門とする、ファブレスやファウンドリーとよばれる企業に分割された水平分業型が市場に参入しました。

水平分業型は投資コストを抑えながら最新技術のレベルを維持できるメリットから、垂直統合型の従来の投資レベルでは変化の対応が難かしく、半導体事業から日本企業は次々と撤退していく事となりました。

半導体戦略推進議員連盟会長を務める自民党の甘利幹事長は、国産半導体を目指すRapidas(ラピダス)について、「日本の半導体メーカーが浮上するラストチャンスになる」とまで、述べています。

政府もからんだ半導体産業のかつての栄光からまた再興を願う所が注目の高さにつながっていますね。

 

 

 

Rapidas(ラピダス)とは?

 

最先端のロジック半導体の開発と製造を目指し、2022年に設立されました。事業内容には、半導体素子、集積回路等の電子部品の研究・開発、設計、製造、および販売が含まれます。さらに、省エネルギー半導体の研究・開発や、半導体産業を担う人材の育成も行っています。会社は、日本国内外の素材産業や装置産業と協力し、2020年代後半までに次世代の3次元LSI技術を確立することや、2nm(ナノメートル)以下の最先端LSIファウンドリを日本で実現を目指しています。

今後、北海道千歳市に最先端半導体工場を建設し、2025年の施策ラインを完成させ2027年に量産予定。

 

 

 

 

Rapidas(ラピダス)が2ナノ(nm)次世代半導体の国産化への実現性や課題は?

 

技術面

 

日本の技術力で量産するには現在40ナノ程度、最先端技術をもつ台湾・韓国で3ナノという状態が現在です。

Rapidas(ラピダス)は、アメリカのIBM社が2ナノ半導体手法の開発に成功していることもあり、IBM社と2ナノ半導体技術に関するパートナーシップを締結しており、提携先のIBMに人材をおくり、技術の習得をすすめています。ただ、IBM社も実際に量産できるかは未知数です。

また、2022年から提携している世界的な研究機関であるベルギーの「imec(アイメック)」が8月27日に日本法人を設立しました。

Rapidas(ラピダス)と技術者の派遣や育成で協力することで合意しており、北海道にも拠点を設ける方向で検討している。

 

 

資金面

 

Rapidas(ラピダス)は、2027年に量産を見込んでおり現在も資金を集めている段階になります。量産へ向けて官民合わせて約5兆円の投資が必要とされています。

現在日本政府は、Rapidas(ラピダス)の研究開発などに総額9200億円の助成を決定しているほか、民間企業からはトヨタ・NTT・ソフトバンク・キオクシア・ソニーグループ・デンソー・NEC・三菱UFJ銀行などの日本の主要8社から総額73億円の出資を受けています。いまだ約4兆円が不足している中総額1千億円規模の融資を3メガバンクと日本政策投資銀行に申請したとの事。

経産省は量産へ向けてさまざまな支援の在り方を検討し、政府保証も一つの選択肢の認識を示している。

資金調達へ奮闘しているようですが、約4兆円の不足をいつ頃調達できるのかがカギになりそうですね。

 

 

立地面(人材確保)

 

半導体開発には多くの技術者が必要となりますが、優秀なエンジニアは海外に流出しているケースも多い事と、北海道という立地も課題にあげられます。

家族が暮らすための居住地や学校などの生活インフラも整える必要があります。

 

 

競合面

 

TSMCとサムスン電子はRapidas(ラピダス)よりも2年早い2025年から2ナノ半導体を量産する計画。

 

 

 

まとめ

 

2nmプロセス技術によって、過去の栄光を取り戻すための日本と、半導体業界に大きな変革をおこす期待により注目をされています。

今後数年間で、この技術が実用化されることで、次世代のデバイスやアプリケーションが続々と登場する事になるではないでしょうか。特に、AIや自動運転、量子コンピュータといった分野での応用が期待されてます。Rapidas(ラピダス)や日本企業がこの技術競争でどのように位置づけられるのか、その動向にも注目が集まりますね。

 

 

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