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半導体メモリの種類(揮発性・不揮発性)の違いとは? スマホにおけるRAMとROMについても解説

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公開日:2024.10.21

半導体メモリとは

半導体メモリとは、半導体材料を利用してデータを保存・アクセスするための記憶装置です。データを電気的に制御して保存する仕組みで、種類は揮発性と不揮発性の2つに大きく分けられます。主にコンピュータやスマートフォン、タブレットなどの電子機器に広く使用されています。

 

半導体メモリのメリットは、データの読み書きが非常に高速で、リアルタイムのデータ処理が求められる場面で利用できる点です。また高い集積度で、同じ面積内に大量のデータを保存できるので、コンパクトなデバイスでも大容量のメモリを搭載可能です。

半導体メモリは、物理的な衝撃や振動に対して比較的強く、耐久性にも優れています。特にフラッシュメモリは、SSD(Solid State Drive)などに用いられ、HDD(Hard Disk Drive)よりも機械的な耐久性が高く、信頼性が高いストレージとして使用されています​。

 

 

半導体メモリの種類

 

 

 

揮発性メモリとは

揮発性メモリとは、電源が入っている間のみデータを保持できるメモリです。

主にデータの処理速度が求められる場面で使用され、代表的なものにはDRAMとSRAMがあります。

 

 

DRAM(Dynamic Random Access Memory)

DRAMはコンピュータの主記憶装置(メインメモリ)として広く使用されています。1つのコンデンサとトランジスタで構成され、キャパシタに蓄えられた電荷の有無で「0」または「1」のデータを記憶します​。

ただし、コンデンサ内の電荷は自然に消えてしまうため、数ミリ秒ごとにリフレッシュが必要です。そのため、DRAMは「ダイナミック(動的)」と呼ばれます。

DRAMは大容量で比較的安価ですが、リフレッシュの必要性からエネルギー消費が大きいという特徴があります​。

 

 

SRAM(Static Random Access Memory)

SRAMはフリップフロップ回路という特殊な回路を使ってデータを保持します。リフレッシュが不要で動作が速いため、主にキャッシュメモリとして使用されます。

SRAMはDRAMと比べて高価で、同じ面積に保存できるデータ量は少ないですが、電力消費が少ないため、エネルギー効率の高い用途に適しています​。

 

DRAMとSRAMの違いについては、以下記事でも詳しく解説しています。

 

 

 

 


不揮発性メモリとは

不揮発性メモリは、電源が切れてもデータを保持できるメモリです。

フラッシュメモリやROM(Read Only Memory)などがこれに該当します。不揮発性メモリは長期のデータ保存に適していて、スマートフォンやデジタルカメラなど、さまざまなデバイスに利用されています。

 

 

ROM(Read Only Memory)

ROMは読み出し専用のメモリであり、製造時にデータが書き込まれ、その後はデータの変更ができません。ROMは主にシステムの基本的なプログラムやファームウェアを保存するために使用されます​。

ROMにもいくつかの種類があり、マスク読み取り専用のMROMやプログラマブル読み取り専用のPROMなどがあります。

MROMとPROMはデータの書き込み方法が異なり、MROMは製造時にデータが書き込まれるROMなのに対し、PROMは製造時に空の状態で出荷され、ユーザーが一度だけデータを書き込めるROMです。ちなみに、PROMが派生したEPROMやEEPROMの場合は、データの書き込み・消去が複数回行えます。

 

 

フラッシュメモリ

フラッシュメモリはPROMの一種で、電源を切ってもデータが保持されるため、ストレージとして広く使われています。データの書き込みや消去が高速で、耐久性が高いという特徴を持つため、USBメモリやSSD、スマートフォンの内部ストレージとして使用されています​。

フラッシュメモリはEEPROMから発展したもので、データをブロック単位でまとめて書き込み・消去ができます。

 

 


揮発性メモリと不揮発性メモリの違い

揮発性メモリは高速なデータアクセスが可能で、主にデータの一時保存や高速処理が必要な場面で使用されますが、電源が切れるとデータが消えるため、永続的なデータ保存には適しません。

一方、不揮発性メモリは電源を切ってもデータを保持できるため、長期的なデータ保存や外部ストレージとして使用されます。揮発性メモリと比較すると、データの読み書き速度がやや遅いです​。

 

それぞれの用途や特徴をまとめると、このようになります。

 

  揮発性メモリ 不揮発性メモリ
代表的な種類 DRAM、SRAMなど フラッシュメモリ、ROMなど
データ保持

・電源を切るとデータが消える

・一時的なデータ保存に適する

・電源を切ってもデータを保持する

・データの長期保存に適する

速度 読み書きが高速 書き込み速度は揮発性メモリよりも遅い場合が多い
リフレッシュ 必要(特にDRAM) 不要

 

 

 

スマートフォンにおけるRAMとROMの違い

上記では、RAMは揮発性メモリ、ROMは不揮発性メモリと紹介しました。

RAMとROMはスマートフォンにも内蔵されているので、具体的にどのような役割があるのかを解説します。

 

 

RAM

RAMには、スマートフォンが現在実行しているアプリやプロセスのデータが一時的に保存されます。

例えば、アプリを開いたり、ゲームをプレイしたりするとき、RAMにデータが読み込まれて高速に処理されます。電源を切るとデータは消去される仕組みです。

 

RAMの容量が大きいほど、複数のアプリを同時に開いていてもスムーズにアプリを切り替えられ、バックグラウンドでの処理も可能になります。RAMが不足すると、スマートフォンのパフォーマンスが低下し、アプリが強制終了することもあるため、ゲームなどをする場合は、RAMが多いスマートフォン(8GBや12GB)を選ぶと動作がスムーズです。

 

 

ROM

ROMは、スマートフォンの基本的なソフトウェア(OSやファームウェア)を保存しているメモリです。ROMに保存されたデータは、スマートフォンの電源がオフになってもデータが保持されます。

 

スマートフォンのOS(AndroidやiOS)や初期設定は、ROMに保存されています。スマートフォンの電源を切った状態でも、次回の起動時に問題なく動作するのは、これらのデータがROMに保存されているからです。

また、ユーザーが保存する写真、動画、アプリのインストール領域でもあります。スマートフォンの本体に写真や画像などをたくさん保存したい方は、ROMの容量が大きなものを選ぶのがおすすめです。

 

 

その他の記事

 

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