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SoC(システムオンチップ)とは何? メリット・デメリットやSiPとの違いを解説

  • 半導体用語集
公開日:2024.10.10

SoC(System on Chip)とは半導体製品の一つで、複数の機能を一つのチップにまとめた集積回路です。特にスマートフォンやタブレットなど、モバイルデバイスでの使用が広く知られていますが、用途は幅広く、自動車、IoTデバイス、ゲーム機、医療機器、産業機器などにも活用されています。

以下ではSoCとは何か、メリットとデメリット、SiPとの違いについても解説します。

 

 

SoC(システムオンチップ)とは?

 

SoCは、CPU、GPU、メモリ、通信モジュール、周辺機器のインターフェースなど、複数の電子回路を一つの半導体チップに集積したもので、システム全体を一つのチップで構成します。

一つに集積することで、従来は複数のチップで構築していたシステムをコンパクトかつ効率的に設計できるというメリットがあります。微細なトランジスタを高密度に集積することが可能となるため、さまざまなデバイスで活用されています。

 

 

SoCの歴史

 

SoCは、半導体技術の進歩とモバイル機器の需要の増加によって発展してきました。

 

1970年代〜1980年代:SoCのはじまり

この時期、集積回路(IC)が進化し、プロセッサが1つのチップに収められるようになりました。

 

1971年:Intelが世界初のマイクロプロセッサ「4004」を発表(ただしメモリやI/Oは外部チップ)

1980年代:ワンチップマイコンが登場し、組み込み機器に普及(例:Intel 8051)

 

日本の家電メーカーがワンチップマイコンを採用し始めた時期です。この時点では、SoCという言葉は使われていませんが、すでにプロセッサ+周辺機能を統合する流れが始まっていました。

 

1990年代:本格的なSoCの登場

この時期に、モバイル機器やゲーム機向けSoCが登場し始めます。

 

1991年:ARMアーキテクチャが登場し、低消費電力のプロセッサとして成長

1998年:Nvidiaが「RIVA TNT」などの統合型チップを発表

1999年:TIが「OMAP」シリーズを発表(携帯電話向けSoCの先駆け)

 

2000年代:スマートフォンとSoCの普及

この時期、携帯電話、スマートフォン、タブレットの登場により、SoCの需要が急増します。

 

2007年:AppleがiPhoneを発表(Samsung製SoCを採用)。

2008年:QualcommがSnapdragonを発表し、モバイル向けSoC市場が急成長

2011年:NvidiaがTegra 3(クアッドコアSoC)を発表

 

2010年代:AI・5G時代のSoC

スマートフォンやタブレットだけでなく、PCや自動運転、IoTにもSoCが広がりました。

 

2013年:ARMのbig.LITTLEアーキテクチャが登場(高性能+省電力の組み合わせ)

2016年:HuaweiがKirin 970にAI処理専用NPUを搭載

2019年:Snapdragon 865やExynos 990が5Gモデムを統合

 

2020年代〜現在:PC・クラウド向けSoCの進化

SoCはスマートフォンだけでなく、PCやサーバーにも拡張しました。

 

2020年:AppleがMac向けARM SoC「M1」を発表(高性能・省電力)

2023年以降:GoogleやAmazonがクラウド向けカスタムSoCを開発し、AI最適化が進む

 

 

SoCの構成要素

 

多機能なSoCの代表的な構成要素は、以下のようなものがあります。

 

CPU(Central Processing Unit)

SoCの中心的な演算装置で、システム全体の処理を行います。命令の実行、制御、演算などのタスクを担当し、プログラムやアプリケーションの指示に従って計算をする役割があります。

 

GPU(Graphics Processing Unit)

グラフィックス処理を担当し、画像や映像のレンダリング、ゲームやマルチメディアの処理を行います。

 

RAM(Random Access Memory)

一時的にデータを保存するメモリで、CPUがデータを高速にアクセスするために使用します。プログラムの実行中に必要なデータや指示がここに保存されます。

 

ROM(Read Only Memory)

不揮発性メモリで、電源を切ってもデータが保持されます。システムの起動時に必要なファームウェアや、重要なプログラムが格納されています。

 

通信モジュール

SoC内の他の要素と、外部のデバイスやネットワークとの通信を担当します。Wi-Fi、Bluetooth、5G、LTE、GPSなどの無線通信機能が含まれます。

 

DSP(Digital Signal Processor)

音声、映像、センサー信号などのデジタル信号を高速に処理する専用のプロセッサです。特にリアルタイム処理が必要なタスクに向いています。

 

AIアクセラレータ

機械学習やAI関連の処理を高速化する専用のハードウェアです。ニューラルネットワークの推論、トレーニングの処理を担当します。

 

I/Oコントローラ(Input/Output Controller)

デバイスの外部インターフェースを管理し、キーボードやタッチスクリーン、カメラ、マイク、スピーカーなどの入出力デバイスを制御します。

 

セキュリティモジュール

デバイス内のデータを保護し、システム全体のセキュリティを強化するための専用のハードウェア機能。暗号化や認証、ファームウェアの保護などを担当します。

 

パワーマネジメントユニット(PMU:Power Management Unit)

システム全体の電力消費を制御するためのモジュールです。バッテリー駆動のデバイスでは、電力を効率的に管理し、バッテリー寿命を延ばす役割があります。

 

インターフェース(PCIe、USB、SATA、HDMIなど)

デバイス間のデータ通信を可能にするためのインターフェースモジュールです。USBポートやHDMI、PCIeスロットなど、さまざまなデバイスとの接続をサポートします。

 

 

 

SoCを活用するメリット・デメリット

 

 

メリット

 

高集積

SoCは一つのチップに多くの機能を集約できるため、システム全体の設計がコンパクトになります。CPUやメモリ、通信モジュールなどの個別のチップがまとめられているため、デバイスの小型化が可能です。
特に、モバイル機器やウェアラブルデバイスなどの製品で役立ちます。

 

携帯端末:通信モジュール、CPU、グラフィック処理、AI処理を1チップに統合し、スペースを節約

腕時計型デバイス:バッテリーが小さいため、コンパクトなSoCにより省スペース化と機能統合を実現

 

高性能

SoCはCPUやGPUなど、複数のプロセッサを集約しているため、システム全体の処理能力が向上します。

例えば、スマートフォン向けのSoCには、AI処理に特化した専用のコアが組み込まれており、画像認識や自然言語処理などの高度な処理を高速で実行可能です。5G通信や自動運転、VR・ARなどの技術で役に立ちます。

 

自動運転システム:映像解析、センサー情報処理、経路計算などを並行して処理し、高速な意思決定が可能

映像処理機器:高画質の動画編集やリアルタイムの画像認識を行う際、専用の処理回路を搭載することで高速化

AR・VR機器:低遅延での映像処理と空間認識を統合的に実行し、没入感を向上

 

低消費電力

SoCは高性能でありながら、低消費電力で動作します。

スマートフォンやタブレットなどのバッテリー駆動のデバイスでは、省電力設計が重要です。SoCは個別のチップ間の通信やデータ転送に伴う電力消費を削減できるため、全体としての消費電力を抑えられます。

 

バッテリー駆動の機器:省電力設計により、長時間の連続使用が可能

無線通信機器:低消費電力設計により、電池寿命を延ばし、電源供給が難しい環境でも使用可能

産業用センサーネットワーク:長期間のデータ収集が求められる機器で、極低電力動作が可能

 

カスタマイズのしやすさ

SoCは、設計者が特定の用途に合わせてカスタマイズできる点が特徴です。例えば、ゲーム向けに高性能なGPUを搭載する場合や、IoT向けに低消費電力で動作するセンサーインターフェースを強化する場合などに役立ちます。

用途に応じて柔軟に機能を組み合わせられるため、様々な分野で使用されています。

 

画像処理向けシステム:高解像度の画像認識や映像処理に特化した回路を搭載し、リアルタイム解析を実現

自動化機器:ロボット制御用に特化した命令セットを組み込み、複雑な動作を効率的に処理

医療機器:生体信号処理に特化したセンサー制御回路を統合し、リアルタイムの診断を可能にする

 

 

デメリット

 

開発の複雑さと高コスト

SoCは、多くの異なる機能を一つのチップにまとめる必要があるため設計が複雑で、開発期間が長くなる傾向があります。一部チップの不良が全体の機能に影響を及ぼす可能性もあります。

また、設計と製造には高額な設備投資が必要となるため、初期コストが非常に高くなる点がデメリットです。

 

通信機器:最新の通信規格を統合するには、技術の進化に対応した設計が必要で、開発コストが増大

自動車向けシステム:高度な安全性とリアルタイム処理を必要とするため、開発期間が長くなり、試作・テストコストも高い

 

機能追加の難しさ

SoCは設計後に機能を追加したり変更したりすることが難しいため、製品のアップグレードやカスタマイズが制限されるというデメリットがあります。
また、特定の用途に特化したSoCは、他の用途への再利用が難しく柔軟性に欠けます。

 

スマートデバイス:新機能を追加するには、新しいチップの設計が必要で、既存製品への適用が困難

ゲーム機やエンタメ機器:処理性能の向上が求められるが、SoCの仕様変更ができないため、世代交代が必要

産業用機器:特定用途向けに最適化されたSoCは、別用途への転用が難しく、汎用性に欠ける

 

SoCとSiPの違い

 

SoCと比較されやすいのが、SiP(System in Package)という半導体製品です。どちらも複数の機能を集積する技術ですが、それぞれ集積の仕方が異なります。

SoCは上記でも紹介したように「一つの半導体チップに複数の機能が集約された製品」ですが、SiPは「複数のチップを一つのパッケージ内に収めた製品」です。

SiPに組み込まれるチップは物理的には個別で、異なる技術プロセスで製造されることが多いですが、一つのパッケージにまとまっているため、外部から見ると一つのチップのように扱えます。

SoCと比較すると、設計の柔軟性が高い点がメリットです。製造コストや設計時間も削減できますが、複数のチップ間での通信はSoCほど効率的ではなく、消費電力やデータ転送速度の点で若干劣ります。

 

 

  SoC    SiP
集積 一つのチップ上に多機能を集積  複数のチップを一つのパッケージ内に統合
設計の柔軟性 設計が複雑なため柔軟性は低い 異なるチップを組み合わせるため柔軟性が高い
製造コスト 初期コストが高い 一部の用途では低コストで製造可
省スペース性 非常にコンパクト SoCほどではないが、比較的コンパクト

 

 

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