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半導体の原料とは?基礎知識から最新トレンドまで徹底解説【一から勉強】

  • 半導体用語集
公開日:2024.09.24

半導体の原料をお話する前に、一般的な半導体の説明からしていきますね。

半導体という言葉の中には電気をよく通す導体と、電気を通さない絶縁体との中間的な電気抵抗をもつ材料を半導体と指します。

しかし、さまざまなメディアで取り扱われている「半導体」というワードには、電気機能を搭載した「集積回路(IC、LSI」をさしている場合ほとんどです。

修正機回路を作る際に、基盤となる材料「ウエハ(ウエハー)」を製造します。そのウエハに使われる原料を今回は特性などふまえご紹介いたします。

 

 

 

半導体の原料とは?原料の種類

 

まず半導体ウエハには大きく分けて「元素半導体」と「化合物半導体」の2種類があります。それぞれの原料と特徴を以下になります。元素半導体であるシリコン(Si)が半導体原料の9割を占めるといわれています。

 

 

元素半導体

元素半導体とは、単一元素でつくる半導体の事をさします。半導体を使用した多くの製品は元素半導体でつくられており、その中でもシリコン(ケイ素)から作られるシリコンウエハが多く使われております。

 

例)

・シリコン(Si)

・ゲルマニウム(Ge)

・セレン(Se)

 

 

化合物半導体

化合物半導体とは、異なる元素が結合した半導体の事をさします。

 

例)

・窒化ガリウム(GaN)_ブルーレイディスク、液晶など青色発光ダイオード

・リン化インジウム(InP)_光通信

・炭化ケイ素(SiC)_ハイブリッド車・再生可能エネルギー

・ヒ化ガリウム(GaAs)_スマホの通信モジュール・衛星通信装置

 

メリット

・一般的なシリコン(Si)よりも発光効率が良く、高速信号処理に強いのでLEDや、光通信の受光素子に適しています。

・絶縁破壊強度の限界値もシリコン(Si)より高いので、パワー半導体にも多く使われます。

 

デメリット

・複数元素を原料としている為、決勝欠陥が多く、割れやすい。

・半導体ウエハの大型化が難しい為、製造効率が悪くコスト高に。

・原材料の入手や製造コストも大きい。

 

 

 

シリコン(Si)が半導体原料に使われる理由

 

まず一つは、地球表面上で存在する物質の中で2番目に多いものがシリコンです。(1番は酸素、3番はアルミニウム)地球上に多く存在している為、物量的に余裕があります。また、加工もしやすく、安定性に優れています。

半導体をつくるには純度99.999999999%シリコンが必要になります。(イレブンナイン)極限まで純度を高くできる点でもシリコンが材料に適しています。

 

シリコンの生産国は?日本では生産されていない?

半導体原料のシリコンのうち、金属シリコンを生産しているのは中国、ノルウェー、ブラジル、南アフリカ、アメリカ、オーストラリアなどになります。シリコン(ケイ素)自体は、どの国でも存在しますが、二酸化ケイ素から金属シリコンを生産するためには膨大な電力が必要になります。比較的電気代の安い国が生産されていると言えます。日本では1982年をもって国内生産するメーカーがなくなり現在は全量輸入されています。

 

 

シリコンウエハの製造は日本企業が最多シェア

上記にも書かせていただいた通り、シリコンの国内生産はありません。ただ、半導体の部材として使用されるシリコンウエハーの製造では日本企業が世界シェア上位に入ります。信越化学とサムコの2社で世界シェアの6割近くを占めます。

 

順位 会社名 市場シェア
1 Shin-Etsu Chemical Co.,Ltd.(信越化学):日本 34.61%
2 SUMCO Corporation(サムコ):日本 27.81%
3 Clobal Wafers Co.,Ltd(グローバルウエハーズ):台湾 16.61%
4 Siltronic AG(シルトロニック):ドイツ 14.78%
5 SK Siltron(エスケー シルトロン):韓国 14.30%
6 Soitec(ソイテック):フランス 8.91%
7 Wafer Works Corporation(ウエハーワークス):中国 3.00%
8 Okmetic(オクメティック):フィンランド 1.20%

※2022年世界シェア

 

 

 

次世代の半導体原料はダイヤモンドがカギ

現在では半導体材料としてシリコンが最も利用されています。シリコン以外にも特色をもった化合物半導体など原料にしています。今度の半導体材料として注目されている次世代の素材がダイヤモンドです。まだ実用化されていませんが今後に期待です。

 

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