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インダクタコイルの基本と応用:選び方と活用ガイド

  • インダクタ
公開日:2024.06.21

 

 現代の電子機器はますます複雑化していて、インダクタ(コイル)の適切な選定と使用が性能の向上に直結しますよね。

 

また、インダクタコイルは電源回路・信号処理・無線信号など、多様な用途で使用される為、設計者やエンジニアはもちろん、それに関わる方でも正しい知識を持ち、最適な選定する事が求められています。

 

という訳で今回は、専門家やエンジニアだけでなく、初心者や学生にも役立てていただる用に、簡潔にまとめていきます。

具体的な選定ポイントや、メーカーなどもご紹介いたしますので是非、ご参考にお使いください。

 

 

 

インダクタ(コイル)とは?

インダクタはコイルとも呼ばれます。このページではインダクタコイルとしておきます。

インダクタコイルは、電流の変化に対して磁界を発生させ、エネルギーを一時的に蓄える電子部品です。

電気回路の設計において重要な役割を果たし、電源供給や信号処理、フィルタリングなどに利用されます。

インダクタンス(L値)を持ち、これが電流と電圧の関係に影響を与えます。

 

 

 

インダクタ(コイル)の巻線構造による種類

 

巻線インダクタ

巻線インダクタは、導線をコアに巻きつけた構造を持ちます。

コアには空気、鉄、フェライトなどが使われ、インダクタンスを高めます。

主な特徴は、インダクタンス(L)が電流の変化を抑制し、直流抵抗(DCR)が低いほど効率が良いことです。

また、自己共振周波数(SRF)を超えると性能が低下します。これにより、電源回路やフィルタ回路などで使用され、電流の平滑化やノイズ除去に効果を発揮します。

 

 

積層インダクタ

積層インダクタは、複数のフェライト層の間に導体パターンを積層した構造を持ちます。

これにより、インダクタンスが高く、コアの磁気飽和が抑えられます。

特徴として、小型化が可能であり、高周波特性に優れています。

直流抵抗(DCR)が低く、自己共振周波数(SRF)が高いため、高周波回路やノイズフィルタに適しています。

耐熱性や機械的強度も高く、表面実装技術(SMT)に対応しているため、現代の電子機器に広く利用されています。

 

 

薄膜インダクタ

薄膜インダクタは、薄い磁性体フィルムに導体パターンを形成した構造を持ちます。

スパッタリングや蒸着技術を使って、積層インダクタのような巻線をスクリーン印刷するよりもさらに薄い金属まくでコイルパターを形成したものになります。

特徴として、小型・軽量で高周波特性が優れています。

高いインダクタンスと低直流抵抗(DCR)を実現し、高周波回路やノイズフィルタに適しています。

自己共振周波数(SRF)が高く、効率的なエネルギー変換が可能です。精密な製造が可能で、表面実装技術(SMT)に対応しており、スマホやパソコンなどの小型電子機器で広く利用されています。

 

 

 

コイルの磁心材質による分類

 

大きくコアによる分類は空心系とコア系の2パターンがあり、空心系(エアコア)は磁性体コアを用いないインダクタになります。

空心系でもエアコアインダクタといわれる完全な空心の他にも、プラスチックボビンにコイルを巻くものや誘導体セラミックスの非磁性体をこあにもつものがあります。

また、コア系では軽くて広い周波数範囲で使用できるフェライトコアや、センダストなどの圧粉コア、ケイ素鋼などの金属コアなどがあります。

 

 

 

インダクタコイルの選び方

 

インダクタンス(L値)

インダクタンスは、回路の設計に応じた値を選ぶことが重要です。

インダクタンスが大きいほど、低周波数のフィルタリングが可能です。

例えば、オーディオフィルタや電源フィルタ回路では、特定のインダクタンス値が必要です。

 

 

直流抵抗(DCR)

直流抵抗が低いインダクタは、電力損失が少なく、効率が高くなります。

特に電源回路やバッテリ駆動のデバイスでは、低DCRのインダクタを選ぶことが重要です。

高効率なDC-DCコンバータでは、低DCRのインダクタが性能向上に寄与します。

 

 

定格電流

インダクタコイルが許容できる最大電流を確認し、設計する回路に適したものを選びましょう。

過電流が流れると、コイルが発熱し、性能が低下する恐れがあります。

高電流対応のインダクタは、パワーエレクトロニクスや大電流回路に適しています。

 

 

自己共振周波数

自己共振周波数(SRF)は、インダクタが特定の周波数を超えると性能が低下するポイントです。この周波数を超えると、望ましくない動作をします。

高いSRFを持つインダクタは、高周波数での性能が安定しているため、高周波回路やノイズフィルタで重要です。

適切なSRFを選ぶことで、回路の効率が向上します。

 

 

物理サイズ

物理サイズは設置スペースに適合することが重要です。

大きすぎると設置が難しく、小さすぎると性能が不足することがあります。

適切なパッケージ形状(スルーホールか表面実装)、放熱性も考慮し、回路の性能を確保する必要があります。

 

 

コア材質

コア材質はインダクタの特性を大きく左右します。

空芯は高周波に適し、フェライトコアは広範な周波数に対応し、低損失です。

用途に応じて、磁気飽和特性や透磁率も考慮し、最適な材質を選ぶことが重要です。

 

 

 

インダクタコイルの応用例

 

電源回路

インダクタコイルは、DC-DCコンバータやAC-DCコンバータなどの電源回路で使用されます。

スイッチング周波数に応じたインダクタンス値と低DCRが求められます。

これにより、入力電圧を安定化させ、出力電圧を所望のレベルに変換する役割を果たします。

 

 

信号処理

高周波信号をフィルタリングするために、インダクタコイルはバンドパスフィルタやローパスフィルタの一部として使用されます。

これにより、特定の周波数帯域の信号を強調または除去できます。

インダクタとコンデンサを組み合わせたLCフィルタは、高精度なフィルタリングを実現します。

 

 

無線通信

無線通信機器では、インダクタコイルが共振回路の一部として使用され、信号の送受信を効率的に行います。

特にアンテナ回路で重要な役割を果たします。

インダクタンスとキャパシタンスを調整することで、共振周波数を最適化し、通信性能を向上させます。

 

 

 

インダクタコイルの選定ポイントまとめ

 

  • インダクタンス(L値): 回路の周波数特性に応じた値を選ぶ。

 

  • 直流抵抗(DCR): 電力効率を考慮して低DCRのものを選ぶ。

 

  • 定格電流: 設計回路の電流に適したものを選ぶ。

 

  • 自己共振周波数: 高いほど広い周波数で使用可能。

 

  • 物理サイズ: スペースに適合するサイズ。

 

  • コア材質: 動作周波数と特性にあった材質を選ぶ。

 

 

インダクタ(コイル)の選定と使用は、回路設計の成功に欠かせない要素です。

適切なコイルを選び、最大限の性能を引き出すことで、信頼性の高い電子機器を設計することが可能です。

 

 

 

おすすめのインダクタメーカー

 

CORE MASTER社

 

 

 

インダクタメーカーのCore Master Enterprise Co., Ltd. は、1982年に設立され、パワーインダクタやチョークコイルなどの電子部品の製造を行っています。

主にパワーインダクタを中心に製品を展開しており、直流や低周波数の電力を通し、高い電流を阻止するチョークコイルなどの製品を提供しています。

Core Masterの製品は、RoHS証明※を取得しており、アジアだけでなくヨーロッパやアメリカ市場にも供給されています。

 

インダクタコイルの選び方や応用方法について理解を深め、最適な製品を選定することで、電子機器の性能と信頼性を向上させることができます。

 

 

 

 


※RoHS証明とは:製品が「Restriction of Hazardous Substances Directive(有害物質使用制限指令)」に準拠していることを証明するものです。

RoHS指令は、電子電気機器に含まれる特定の有害物質の使用を制限する欧州連合の規制です。

具体的には、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニル)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)などの物質が規制対象となります。

RoHS証明を取得することで、その製品が環境と人の健康に配慮した安全なものであることが示されます。

 

 

 

 

 

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