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マイコン(マイクロコントローラー)の種類を解説|ワンチップ・シングルボード・ワンボード

  • 半導体用語集
公開日:2025.05.20

マイコン(マイクロコントローラー)は、家電製品から自動車、産業機器、IoTデバイスに至るまで、様々なシステムで活用されています。1つのIC(集積回路)チップにさまざまな機能が統合され、特定のタスクを効率的に制御できます。

マイコンと言っても、その構造や機能、拡張性は一様ではありません。特にワンチップマイコン、シングルボードマイコン、ワンボードマイコンは異なる特徴があり、用途に応じて適切な選定が求められます。

 

本記事では、各マイコンの基本的な構造や用途、メリット・デメリットを解説します。

 

 

 

マイコン(マイクロコントローラー)とは?

 

マイコンとは、Microcontroller(MCU)= Micro + Controller(小型の制御装置)という意味です。1つのIC(集積回路)チップ内にCPU、メモリ(RAM、ROM、Flash)、入出力ポートなどの機能を集積しています。

 

この小型コンピュータにより、家電製品や産業機器、自動車のエンジン制御、IoTデバイスなどの特定のタスクを効率的に制御できます。

マイコンは、決められたタスクを効率的に処理します。タイマーや割り込みを用いたリアルタイム処理が可能で、低消費電力のためバッテリー駆動のデバイスにも最適です。

 


マイコンの詳細は、以下の記事でも紹介しています。

 

 

 

 

マイコンの種類

 

マイコンは、主に以下の3種類に分けられます。

ワンチップマイコン

ワンチップマイコンとは、 名前の通り1つのICチップ内に機能がすべて統合されたシンプルなマイコンです。極小のコンピュータがチップにまとまっているイメージで、別名シングルチップマイコン、ワンチップMCUとも言われます。

 

ワンチップマイコンは、単一ICで完結するため基板スペースを節約できるのが特徴です。小型で低コスト、低消費電力の特性から、例えばエアコンの温度センサー制御や風量調整などで使用されています。

 


メリット

・小型・軽量で基板スペースを節約できる

・非常に低コストで容易に量産可能

・消費電力が低く、バッテリー駆動に適している

・単純な制御タスクに最適

・即時応答が可能なリアルタイム制御が可能

・センサー制御や小型デバイスに最適


デメリット

・メモリ容量が小さく、大規模なプログラムには不向き

・拡張性が低く、I/Oピンの数が制限される

・高速演算処理には不向き(クロック周波数が低い)

・通信機能が制限されているものが多く、Wi-FiやBluetoothには対応していない

・デバッグ機能や専用ツールが限定的な場合があり、初心者には扱いづらいことがある

・外部周辺機器の接続には追加回路が必要

 

 

ワンボードマイコン

ワンボードマイコンとは、ワンチップマイコンと、その周辺機能を1枚の基板にまとめた開発・制御用基板です。ワンチップマイコンを使いやすくするために基板上に実装し、周辺回路やインターフェースをまとめています。

別名、開発ボード、評価ボード、プロトタイピングボードとも言います。

OSは搭載しておらず、1つの目的に特化したプログラムを動作させる設計になっています。

 

メリット

・GPIOピンが豊富で、センサーやモーターの接続が簡単

・Arduino IDEやMicroPythonなど、開発環境が整備されている

・低消費電力な製品もあり、バッテリー駆動に適したものもある

・デバッグがしやすい(シリアル通信ポートを搭載)


デメリット

・高度な処理やOSのような複雑なタスクには対応できない

・外部回路を追加すると基板が大きくなり、スペースを取る

・マイコンに内蔵されたメモリ容量には限りがあり、プログラムのサイズが大きいとメモリ不足になることがある

 

 

シングルボードマイコン

シングルボードマイコンとは、ワンボードマイコンに汎用OSを搭載したタイプの小型コンピュータです。コンピュータに必要なほぼすべての機能を実装し、さらにLinuxなどのOSが動作するようになっています。

別名シングルボードコンピュータとも言われます。

 

シングルボードマイコンは、高速なプロセッサを搭載し、複雑な処理が可能です。

プロセッサとは、コンピュータシステムで計算や指令の実行を行う中心的なハードウェアです。 プログラムの命令を解釈して計算やデータの処理を行い、制御信号を生成してシステム全体を統括します。

 

シングルボードマイコンはGPIO(汎用入出力)やUSBポートを通じて、センサーや通信モジュールを接続可能です。そして、モデルによってはWi-FiやBluetoothを標準搭載しています。

 

メリット

・高クロック周波数で高速演算処理が可能

・Wi-Fi、Bluetooth、USB、Ethernetなど豊富な通信機能

・ディスプレイやカメラなどの周辺機器接続が容易

・マルチタスク処理が可能

・データストレージ(SDカード、eMMC)を搭載できる

 

デメリット

・消費電力が非常に高く、冷却対策が必要

・コストが高く、複数台の導入には不向き

・ヒートシンクやファンなどの放熱対策が必要

・長時間稼働時には熱暴走やシステムクラッシュのリスクがある

 

 

マイコンの種類を比較

 

それぞれのマイコンの特徴を以下にまとめました。

 

  ワンチップマイコン ワンボードマイコン シングルボードマイコン
構造 1つのICチップ内にCPU・メモリ・I/Oなどを集積 マイコン+周辺回路を1枚の基板に実装した開発ボード OS込みの基板上に多機能を集積した小型コンピュータ
拡張性 低い 高い 非常に高い
通信機能 UART、SPI、I2Cが基本 UART、SPI、I2Cなど Wi-Fi、Bluetooth、USB、Ethernetなど
OSの搭載 通常無し 基本的に無し(RTOS対応のものもあり) Linux、Android、Windows IoTなどを搭載可能
消費電力 低い 中程度 高い
使用例 家電製品、センサー制御 プロトタイピング、IoT開発、教育用 画像処理、サーバー、ネットワーク端末

 

 

 

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Generalplus(ジェネラルプラス)は台湾に本社を置く半導体メーカーです。

GeneralplusのSoC(System on a Chip)は、ARM7やARM9、Coretex-M4やCortex-A7などのMCUから、LCDコントローラ、カメラ入力、GPU/PPU、ムービーエンコーダ、オーディオ入出力、MMC/SDC、USB、PWM、SPI、I2C、UARTなど、マルチメディア組込み製品に必要な機能をコンパクトなパッケージに内蔵しています。

 

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