【2025年1月前半】半導体・電子部品業界NEWSピックアップ
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2025年1月前半の半導体業界ではEV関連のサプライチェーン確保や先端半導体の輸出管理など、技術面・地政学的リスクを見据えた動きが目立ちましたね。
本記事では、業界の最新動向や注目すべきニュースをピックアップしております。最新トレンドを確認できるため、今後のビジネスにぜひお役立てください。
それでは、2025年1月前半の半導体・電子部品業界ニュースをご紹介します。
【1月前半】半導体業界NEWS
1月15日
・ゼネラル・モーターズは、ノルウェーの素材メーカーのビアノードと電気自動車(EV)電池に使うグラファイト(黒鉛)の長期供給契約を結んだと発表。中国はグラファイトの輸出管理を強化しており、ゼネラル・モーターズは調達先の多様化でEVを安定生産できるようにする。
・牧野フライス製作所は、ニデックからの買収提案書を議論する特別委員会がニデックに対して要望書を送ったと発表。4月4日からTOBを開始予定としているが牧野フライスの特別委員会は5月9日までの延期などを求めている。
・アメリカ総務省は、半導体の受託生産企業などに先端半導体の輸出監視強化を義務づける事を発表。政府が安全保障上問題ないと認めた輸出先かどうかを確認。第三者を介して中国企業に先端半導体が渡るのを防ぐ。
1月14日
・三菱電機は、太陽光発電の電圧制御に使うパワー半導体を開発したと発表。従来よりチップあたりの電力損失を15%減らせる。2月15日からサンプル提供を開始予定。
・堀場製作所は、ガスの流れる量を制御するますfΡコントローラーの新製品を販売スタートさせたと発表。
・ヒロセ電機はディスプレー向けコネクターの新製品を発売したと発表。耐用温度を摂氏85℃から摂氏125℃まであげ、稼働時に高温になりやすい産業機器などの需要を見込む。
・インフィニオンテクノロジーズは、タイの首都バンコク近郊に半導体工場を設けると発表。パワー半導体を組み立てる「後工程」の工場で、2026年初めにも稼働する予定。
・バイデン大統領は、アメリカ連邦政府の国有地に人工知能(AI)向けの民間データセンターを建設できるようにするための大統領令に署名した。AI関連インフラが海外に流出する事を防ぐ。
・オキサイドは、2025年2月期の連結業績予想を下方修正した。従来予想の1600万円の黒字から28億円の赤字になる見通しと発表。23年3月に買収したイスラエルの子会社が中東紛争で業績が悪化し、減損損失27億円などの特別損失を計上する。
・インテルは、ベンチャーキャピタル(VC)部門を分離すると発表。独立させて外部からの資金調達を可能にする。
1月13日
・バイデン政権は、人工知能(AI)向け先端半導体に関する輸出規制の見直し案を発表。東南アジアや中東向けに「数量制限」をかけながらも簡単に輸出できる仕組みを設ける。中国への迂回輸出を把握する狙い。
・NVIDIAは、上記の見直し案について「技術革新と経済成長を妨げる」と、批判する声明を出した。
1月11日
・AGCは「後工程」に使う次世代材料を2028年に量産する予定を明らかにした。これまで樹脂だった材料をガラスに置き換え消費電力を3割抑える。
1月10日
・SCREENホールディングスは、子会社で発覚した不適切な会計処理の疑いについて、特別調査委員会からの調査報告書を受け取ったと発表。調査結果として、一部で不適切な会計処理があったと確認されたが、決算への影響額は小さい事から過年度の有価証券報告書などは訂正しない方針。
・安川電機は、2025年2月期の連結営業利益の見通しを発表。580億円と前期比12%減の予定に。従来予想より60億円下方修正した。韓国市場での需要が想定より下回っていたほか、アメリカ市場でのインフラ投資の様子見が響いた。
・TSMCが2024年10月~12月期の売上高(速報ベース)を発表。四半期として過去最高の8684億台湾ドル(約4兆2000億円)。23年同期に比べ38.8%増加した。
・牧野フライス製作所は、ニデックからの買収提案を議論する特別委員会を設置したと発表。社外取締役4人で構成し、公平性を担保しながらニデックの提案が企業価値向上、株主の利益につながるかを議論する。
・TSMCは、アメリカアリゾナ州の工場で4ナノメートルの先端半導体の生産を開始した。
1月9日
・ティアンドエスの先進技術事業部では、JAXA宇宙探査イノベーションハブの進める月面/火星探査ローバーや深宇宙探査機での高精度・低消費電力・リアルタイムな自己位置推定技術の研究開発について、JAXAと共同で2年の実施計画を作成し、昨年12月より共同研究を開始した事を発表した。
・ルネサスは電気自動車(EV)や産業機器向けに、電力ロスを従来比3割まで抑えたパワー半導体の量産を開始したと発表。
・京セラは、フィンランドのスタートアップ、タクトテックに約8億1000万円を出資したと発表。京セラはボタンを押した感触などを再現する触覚デバイスの開発で2021年から協業していた。出資比率は非公表。
1月8日
・韓国サムスン電子は2024年12月期の連結決算速報値を発表。営業利益は約32兆7300億ウォン(前期比5倍)、売上高は300兆800億ウォンで、2期ぶりの増収。
・ラビダスはブロードコムと連携する事を明らかにした。6月をめどに2ナノメートルの製品の試作品をブロードコムに供給予定。
1月7日
・丸紅はリチウムイオン電池のリサイクル技術を開発するアルティリウムメタルズが実施する第三者割当増資を引き受けと発表。出資額は約8億円。
・パナソニックエナジーは、アメリカの電気自動車(EV)新興ルーシッド・グループが生産を始めた新車種にEV用電池が搭載されたと発表。
・日本航空電子工業は、データを光で送るアクティブ光ケーブル(AOC)の試作品を開発したと発表。2月から自動車や電子制御ユニット(ECU)メーカーへの提供をする。
・村田製作所は、電子部品のインダクターで世界最小となる新製品の開発を始めたと発表。現在最小製品と比べて体積は4分の1となる。
・ルネサスエレクトロニクスが最大数百人規模の人員削減を国内外で実施ると事が分かった。民生品など幅広い半導体需要が低迷しており、人件費を抑えて不況の長期化に備える。
・京セラは電子部品や半導体関連部品などで採算が悪化しており、改善が難しい事業の売却を検討している。売上2000億円規模の事業を外部に売却する方針。
・ホンダは、次世代電気自動車(EV)向けの半導体開発でルネサスエレクトロニクスと提携すると発表。
1月6日
・ピュア・ストレージはキオクシアの最先端メモリーの採用を決めた。従来の記憶装置と比較して電力消費と装置規模を8割程減らせる。
・マツダは電気自動車向けの電池工場を山口県岩国市に建設すると発表。
・TDKはWeWALKの新製品「Smart Cane 2」にTDKのセンサを含む6製品を搭載した事を発表。「Smart Cane 2」は、視覚障碍者向けのスマート白杖になります。
・アメリカ国防省は、テンセントとCATLを中国軍と関連がある「中国軍事企業」に指定すると明らかにした。アメリカの企業にはリストに載る中国企業との取引を控えるように促している。
・NVIDIAは、ロボットや自動運転向けの人工知能(AI)の基盤技術を無償で提供すると発表。データセンター向け半導体で気づいたAI経済圏の拡大に繋げる。
・中国のZeekrは、東南アジアや南米で急速受電の設備を年内に1000基整備すると発表。ウェイモと共同開発した自動運転車向けのEVについて年内に納車を始めるとも明らかにした。
・インテルは、暫定の共同最高経営責任者(CEO)となったミシェル・ホルトハウス氏がCESの発表イベントに急遽登板し、2025年に次世代製造プロセスを使った半導体を投入すると発表。
・トヨタ自動車はNVIDIAの先端半導体を次世代車で採用する。
1月3日
・グローバルファウンドリーズがIBMを相手取って起こした訴訟を巡り、両者は3日までに和解したと発表。
1月2日
・中国商務省は、電気自動車(EV)に使われるリチウムイオン電池の製造に関する技術を輸出規制対象に加える方針を公表。