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ラジオのAM・FMの違いは何? それぞれの仕組みや信号の構成、メリット・デメリットを紹介

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公開日:2024.12.20

ラジオの基本的な仕組みには、「変調」という技術が使われています。

変調とは、音声や音楽などの情報を電波に重ねて送る技術で、主にAM(振幅変調)FM(周波数変調)の2種類があります。AM・FMは、それぞれ異なる特性を持ち、用途や利用される場面によって使い分けられています。

本記事では、ラジオの基礎技術や仕組み、そしてAMとFMの特徴と違いについて詳しく解説します。

 

 

そもそもラジオとは?

ラジオとは、無線通信技術を利用して音声やデータを送受信するための装置やシステムです。具体的には、電波を媒介にして音声やその他の情報を送信し、それを受信する仕組みです。

ラジオ局は、音声や音楽などの情報を電波に変換(変調)して送信します。変調には、主にAM(Amplitude Modulation)とFM(Frequency Modulation)という方法があります。

どちらも基本構造は同じで、搬送波(キャリア波)と呼ばれる一定の周波数を持つ波(正弦波)を使って情報を運びます。音声や音楽などの信号(変調信号)は、搬送波に「重ね合わせる」ことで、情報を電波として送ります。

 

 

AM(振幅変調)とは

AM(Amplitude Modulation)とは、無線通信の一種で、電波の振幅を変化させることで情報を伝送する技術です。AMはラジオ放送や通信において、初期から現在まで利用されています。

 

 

AMラジオの仕組み

AMでは振幅を変調させ、以下のように情報を伝送します。

 

1. 振幅変調(Amplitude Modulation)

変調信号の振幅(音声の大きさや強さ)に応じて、搬送波の振幅が変化します。搬送波の周波数は変わらず一定ですが、振幅が変化することで情報が伝達されます。

音声が大きくなると搬送波の振幅も大きくなり、音声が小さくなると振幅も小さくなります。

 

2. 電波の送信

振幅が変調された電波はアンテナを介して空中に放出されます。この電波は空気中を広がり、長距離まで到達します。特にAM波は、電離層に反射されやすいです。

 

3. 受信と復調

ラジオ受信機は、放送局から送られてきたAM波をアンテナで受信します。受信機内で「復調」という工程を経て、搬送波から振幅変調信号を取り出し、元の音声や音楽に変換します。

 

 

AMのメリット・デメリット

メリット

AM波は地表波と電離層反射波を利用するため、特に夜間は遠くまで届く特性があります。長距離かつ広範囲に伝送が可能なため、緊急情報の伝達手段として有効です。

  • 地表波:地面に沿って伝わる電波。建物や地形の影響を受けにくい

  • 電離層反射波:電離層で反射されて遠距離まで届く電波。特に夜間にはこの特性が顕著になり、より遠くまで電波が届く

 

また、AM放送を受信するための機器は比較的簡単な構造なので、低コストで実現できます。

 

デメリット

AMはノイズ(雷、電化製品の干渉など)に弱く、音質がFMに比べて低いです。

一般に帯域幅が5~10kHzに制限されるため、高音質の音楽には向いていません。また、周波数帯(中波帯:535~1605kHz)が限られているため、隣接する放送局の干渉を受けることがあります。

 

 

FM(周波数変調)とは

FM(Frequency Modulation)とは、ラジオ放送や通信技術において、信号を搬送波の周波数変化として表現する変調方式です。

FMは音質が良く、ノイズに強いという特長があり、主に音楽やエンターテインメント向けの放送で利用されています。

 

 

FMの仕組み

1. 周波数変調(Frequency Modulation)

変調信号(音声や音楽)の振幅に応じて、搬送波の周波数を変化させます。搬送波の振幅は一定で、周波数の変化だけが情報を表現します。

変調信号の振幅が大きいと、搬送波の周波数が大きく変化する。変調信号の振幅が小さいと、搬送波の周波数の変化が小さい

 

2. 電波の送信

周波数が変調された電波をアンテナから空中に放出します。FM波は直進性が高く、障害物や地形の影響を受けやすいという特性があります。

 

3. 受信と復調

ラジオ受信機がFM波を受信します。搬送波から周波数の変化を検出し、元の音声信号を取り出してスピーカーで再生します。

 

 

FMのメリット・デメリット

メリット

AMに比べて広い帯域幅(通常15kHz程度)を使用しているため、音声の忠実度が高く、音楽や高品質の音声放送に適しています。また、高周波数帯(通常76~108 MHz)なので、多くのチャンネルを利用可能です。

FMは雑音や干渉の影響を受けにくく、クリアな音質を提供できるのもメリットです。ノイズは振幅の変化に影響を与えますが、振幅が一定のFMでは影響が少ないためです。

 

デメリット

FMは直線的に伝わるため、電波の届く範囲が限定的で、障害物や地形による影響を受けやすいです。そのため、都市部では良好に受信できますが、山間部や遠距離では受信が困難です。

また、変調や復調に複雑な技術が必要なため、AMに比べて設備や機器のコストがかかります。

 

 

AMとFMの違い

AMとFMの違いを以下にまとめました。

 

  AM
FM
変調方式 振幅(電波の強弱)を変化させて信号を送る
周波数(電波の間隔)を変化させて信号を送る
音質 低音質(ノイズに弱い)
高音質(ノイズに強い)
周波数帯域 526~1606kHz(中波)
76~95MHz(超短波)
帯域幅 約5~10kHz 約200kHz
伝播距離 長距離伝送が可能
短距離伝送が中心
利用目的 ニュース、トーク番組、緊急放送
音楽、エンターテインメント
受信特性 地形や建物の影響を受けにくい
地形や建物の影響を受けやすい
特徴的な用途 国際放送、航空通信
地域密着型放送、音楽放送
電波の性質 地表波と反射波を利用し遠距離伝播が可能
直線的に伝播し、障害物や地形の影響を受ける
災害時の利便性 高い 中程度

 

 

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