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ラジオチューナーとは? 用途や種類、選び方を解説

  • ソリューション
公開日:2024.12.17

音楽やニュース、交通・防災情報などの取得に重宝されるラジオは、家庭用や車載用、趣味用など、さまざまな用途で利用されます。特に災害時は、インターネットのように通信回路に依存しないため、通信網が遮断された場合でも利用でき、重要な情報源となります。

 

本記事ではラジオチューナーの特徴と役割、どのような種類があるのかを解説します。

 

 

ラジオチューナーとは? 特徴と役割

ラジオチューナーとは、電波で送信されるラジオ放送を受信し、音声信号として再生できる形に変換する装置のことです。

ラジオ放送は、AM(中波)やFM(超短波)などの周波数帯を使用して送信されます。ラジオチューナーはその中から、特定の周波数を選択(チューニング)して音声を再生します。

 

・周波数選択(選局)

ラジオ波には多くの放送局の信号が混在しています。ラジオチューナーはその中から特定の周波数を選択(チューニング)することで、聞きたい放送局の信号だけを受信します。

 

・信号の増幅

電波として届く信号はとても微弱です。チューナー内の高周波(RF)増幅回路がこれを増幅し、後続の処理が可能なレベルに引き上げます。

 

・周波数の変換(中間周波数への変調)

受信した信号を扱いやすい一定の周波数(中間周波数:IF)に変換します。ノイズの影響を減らし、選局精度が向上します。

 

・信号の分離と復調

放送電波には音声や音楽の情報が含まれていますが、それはキャリア波(搬送波)に乗せられた形です。チューナーの検波回路がこの情報を取り出し(復調)、音声信号として変換します。

 

・ノイズの除去

受信信号にはノイズが含まれる場合があります。フィルターやデジタル信号処理(DSP)技術を使って不要なノイズを取り除き、クリアな音質を提供します。

 

・音声信号の増幅と出力

復調された音声信号はスピーカーやイヤホンで再生するために、オーディオアンプで増幅されます。

 

 

ラジオチューニング形式の種類

ラジオのチューニングの仕方は、ざっくり分けると手動で選局するアナログ方式と、ボタンで操作するデジタル方式があります。

 

 

アナログチューニング

手動でダイヤルを回して周波数を調整し、放送局を選局する方式です。シンプルな構造で操作が直感的なので、利用しやすいのが特徴です。一部の愛好家には、微調整の楽しさが魅力でもあります。

デメリットとして、正確な周波数に合わせるのが難しい場合があり、衝撃などを受けると周波数がずれることがあります。

 

デジタルチューニング

デジタル制御を用いて、特定のラジオ周波数に正確に選局します。ボタン操作やディスプレイ表示を用いることで、使いやすい選局を実現しています。ディスプレイに周波数が表示されるため、現在の選局状態が明確に確認できます。

追加機能として「プリセット機能」があり、お気に入りの放送局をメモリに保存できるので、ワンタッチで呼び出せます。

 

 

ラジオチューナーの主な構成要素

ラジオチューナーの構成要素は、電波を受信し、音声信号として再生可能な形に変換するために必要な部品で構成されています。それぞれの要素には重要な役割があり、これらが連携して機能することでラジオの受信が実現します。

 

1. アンテナ

空中を飛び交うラジオ波を受信します。AM放送では、フェライトバーアンテナ(内蔵)やロッドアンテナが使われることが多く、FM放送ではロッドアンテナや屋外設置型アンテナが利用されます。

高感度アンテナは受信性能を向上させ、ノイズを減らします。

 

2. 高周波増幅回路(RFアンプ)

アンテナが受信した非常に弱い電波信号を増幅させる役割があります。

電波信号はとても微弱で、そのままでは処理が難しいです。RFアンプは目標周波数帯域を増幅しつつ、ノイズや干渉を可能な限り抑えます。

 

3. 選局回路(チューニング回路)

受信した電波の中から聞きたい周波数の信号を選択します。回路には可変コンデンサやコイルが使われており、特定の周波数を選択できます。

デジタルチューナーではPLL(フェーズロックループ)技術が使われ、精密な選局が可能です。

 

4. 混合回路(ミキサー)

受信した信号を中間周波数(IF)に変換します。ラジオチューナーは、周波数が一定の方が後続の処理が容易になるため、中間周波数への変換が重要です。例えばFM放送では、10.7MHzが一般的です。

 

5. 中間周波数増幅回路(IFアンプ)

ミキサーで変換された中間周波数信号をさらに増幅し、不要な信号を除去します。IFアンプには特定の周波数帯域のみを通すフィルタが使用されています。

このプロセスにより、不要なノイズや干渉が減り、信号が明瞭になります。

 

6. 検波回路(復調回路)

電波に乗せられた音声信号(変調信号)を取り出します。AM放送ではエンベロープ検波が一般的で、FM放送では周波数変調を復調するため、周波数変調検波器が使用されます。

 

7. 低周波増幅回路(オーディオアンプ)

検波回路で取り出された音声信号を、スピーカーやイヤホンで聞ける音量に増幅します。高品質なオーディオアンプを使用することで音質が向上します。

一部のラジオチューナーには、低音や高音を強調するイコライザー機能も組み込まれています。

 

8. スピーカー/イヤホンジャック

最終的な音声は、スピーカーやイヤホンジャックを通じて出力されます。一般的なポータブルラジオでは小型スピーカーが内蔵されており、高級なオーディオ用チューナーでは外部スピーカーに接続するための端子を備えています。

 

 

ラジオチューナーの選び方

ラジオチューナーはどのような用途で使用するかによって、対応する周波数帯域や音質を選ぶのがおすすめです。

 

日常用

シンプルで使いやすいAM/FM対応であれば、十分にニュースや音楽を楽しめます。品質が良い音源を楽しむなら、デジタル放送や高音質な回路設計を持つモデルを選びましょう。

 

車載用

車載用ラジオはFM/AMに加え、最近ではインターネットラジオ対応の車載モデルも増えています。車内ではエンジン音や風切り音があるため、音質の良いモデルを選ぶと快適です。

また、高速道路の移動中や山間部など受信環境が厳しい場所でも、安定して放送を受信できるモデルがおすすめです。

 

趣味や特殊用途用

短波(SW)、中波(MW)、長波(LW)など、多様な周波数帯域に対応したラジオチューナーがおすすめです。国際放送やアマチュア無線を楽しみたい場合、BFO(ビート周波数発振器)機能付きが便利です。

 

防災用

災害時、停電や通信障害が発生した場合でも、ラジオは重要な情報源となります。

防災用としてラジオを用意するなら、AM/FMの両対応は必須です。また、受信環境が悪化することが多いため、高感度のチューナーを選ぶのがおすすめ。ポータブル型や電池駆動型のラジオは持ち運びが可能です。

 

 

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