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HDMIの種類を解説! ケーブルやコネクタの形状、バージョン別の違いは?

  • 半導体用語集
公開日:2024.11.15

映像と音声をケーブル1本で伝送できるHDMIは、パソコンとモニターの接続などに利用されます。そんなHDMIのコネクタやケーブルは、バージョンや用途によって種類がさまざまです。

どんな種類があるのか、それぞれの特徴とともに紹介します。

 

HDMIとは?

 

HDMIとは「High-Definition Multimedia Interface」の略で、映像と音声をデジタル信号で同時に伝送するインターフェース規格です。高解像度の映像と高品質な音声を1本のケーブルで伝送できます。

2002年にリリースされ、テレビやパソコン、ゲーム機、プロジェクターなどの家庭用から業務用まで多様な機器で広く利用されています。

 

 

コネクタ形状の種類

HDMIのコネクタ形状は接続機器に応じて異なり、以下の種類があります。

 

Type A(標準HDMIコネクタ)

HDMIコネクタの中で最も一般的な形状で、テレビやモニター、パソコンで利用されるタイプです。19ピンで構成され、家庭用機器に適したサイズです。

 

Type B(デュアルリンク)

HDMI規格の初期に設計された特殊なコネクタで、あまり普及していません。

サイズはType Aよりも大きく、デュアルリンク接続により多くのデータを同時に伝送するため、29ピンで構成されています。

 

Type C(ミニHDMIコネクタ)

HDMI規格の中でも、コンパクトな形状を持つコネクタで、特に小型デバイス向けに設計されています。Type Aと同じ19ピンで構成されていますが、全体のサイズは小さめです。

タブレットやデジタルカメラ、ビデオカメラなどの小型デバイスで使用可能です。

 

Type D(マイクロHDMIコネクタ)

Type Cよりもさらに小型のType Dは、HDMIコネクタの中で最も小さいサイズです。スマートフォンやGoProなどの超小型デバイスで使用されます。

 

Type E(自動車用HDMIコネクタ)

Type Eは、主に自動車用途向けに設計されたHDMIコネクタです。19ピンで構成され、Type Aと同じくらいのサイズです。ロック機構が付いているため、車内の厳しい環境でも安定した接続を維持できるのが特徴です。

車内の気温や湿気などに耐えられるように設計されており、信頼性の高い接続が可能です。 電磁干渉(EMI)を低減するシールドが施されており、他の電子機器からの干渉も防ぎます。

 

 

HDMIバージョンの種類

HDMIのバージョンは、規格の進化に伴う機能や帯域幅(データを送受信できる量)の拡張のためアップグレードされています。

HDMI 1.0がリリースされた2002年は、基本的な映像と音声の伝送しかできませんでしたが、最新のHDMI 2.1では多機能になり、高品質な映像と音声の伝送が可能になりました。

以下に、各バージョンのリリース年や解像度などをまとめました。

 

バージョン リリース年 帯域幅 対応解像度
HDMI 1.0 2002年

最大4.95Gbps

最大1080p
HDMI 1.1 2004年 最大4.95Gbps 最大1080p
HDMI 1.2 2005年 最大4.95Gbps 最大1080p
HDMI 1.3 2006年 最大10.2Gbps 最大1080p、1440p(30Hz)
HDMI 1.4 2009年

最大10.2Gbps

最大4K(30Hz)
HDMI 2.0 2013年 最大18Gbps 最大4K(60Hz)
HDMI 2.0a 2015年 最大18Gbps 最大4K(60Hz)
HDMI 2.0b 2016年 最大18Gbps 最大4K(60Hz)
HDMI 2.1 2017年 最大48Gbps 最大10K、8K(60Hz)、4K(120Hz)

 

バージョンごとにざっくりと以下のような機能が導入されています。

 

HDMI 1.0~1.2

基本的なデジタル映像と音声の伝送が行える規格です。

2002年にHDMIの最初のバージョンとして、1本のケーブルで映像と音声の伝送ができるHDMI 1.0が登場しました。1.1になりDVDオーディオ対応が追加され、1.2ではスーパーオーディオCD(SACD)やパソコン用途向けの拡張が追加されました。

 

HDMI 1.3~1.4

1.3からは色の表現を滑らかにする深色(Deep Color)や、広い色域を表現できるx.v.Colorといった色調・色域に関する技術に対応し、HDオーディオも追加されました。

1.4では、3D映像、4K解像度、ARCのサポートが追加されています。ARCはテレビとオーディオ機器を1本のHDMIケーブルで接続し、映像と音声の両方を伝送できる機能です。

 

HDMI 2.0~2.0b

2.0、2.0a、2.0bは基本的な帯域幅や解像度の対応範囲は同じですが、各バージョンで対応機能が追加されています。

2.0では、より鮮明で奥行きがある映像が楽しめるHDR(High Dynamic Range)の基礎対応が追加され、2.0aではHDR形式の1つであるHDR10に対応、2.0bではHLG(Hybrid Log-Gamma)も追加されました。

 

HDMI 2.1

2.1では帯域幅が48Gbpsに拡大され、8K(60Hz)や4K(120Hz)の高解像度、高リフレッシュレートの映像、ダイナミックHDR、VRR(可変リフレッシュレート)、ARCの進化版であるeARC(Enhanced Audio Return Channel)など、多くの機能が導入されました。

 

 

ケーブルの種類

HDMIケーブルは、対応する帯域幅や機能によって以下の種類があります。

 

ケーブル 対応バージョン 対応解像度 帯域幅
スタンダード HDMI 1.0~1.2 最大4.95Gbps 最大1080p
スタンダード
※イーサネット付き
HDMI 1.4 最大4.95Gbps 最大1080p
ハイスピード HDMI 1.3~2.0 最大10.2Gbps 最大4K(30Hz)
ハイスピード
※イーサネット付き
HDMI 1.4~2.0 最大10.2Gbps 最大4K(30Hz)
プレミアムハイスピード HDMI 2.0~2.0b 最大18Gbps 最大4K(60Hz)
ウルトラハイスピード HDMI 2.1 最大48Gbps 最大10K、8K(60Hz)、4K(120Hz)

 

ケーブルは、バージョンで定義された性能や機能を伝送できる能力を持っているかどうかで分類されます。

例えば、4K(60Hz)の映像を伝送するためには、少なくともハイスピードHDMIケーブル以上の帯域幅を持つケーブルが必要です。8Kや4K(120Hz)の映像には、ウルトラハイスピードHDMIケーブルが求められます。

 

スタンダード

HD映像や標準音声の伝送には十分ですが、高解像度や複雑な映像データには対応できません。

 

帯域幅:最大4.95Gbps

対応解像度:720p、1080iまで

対応バージョン:HDMI 1.0~1.2

用途

・古いHDテレビ、DVDプレーヤー、初期のHDMI対応の家電製品など

・基本的なAV機器接続に適しており、現代の4KやHDR対応の機器では性能が不足するため不向き

 

ハイスピード

スタンダードHDMIケーブルに比べ、より高い帯域幅を持ち、4K映像などを含む高解像度の映像と音声の伝送に適しています。フルHD(1080p)や3D映像、深色(Deep Color)にも対応しています。

 

帯域幅:最大10.2Gbps

対応解像度: フルHD(1080p)、4K(30Hz)まで

※3D映像も伝送可

対応バージョン:HDMI 1.3以降

用途

Blu-rayプレーヤー、ゲーム機、HDTVなど高解像度のデバイスに最適

 

プレミアムハイスピード

4K映像やHDR、さらには高速な音声・映像伝送に対応した高性能ケーブルです。HDRでは明暗の幅が広がり、より自然で鮮やかな映像が見られるため、映像のコントラストが向上し、リアリティが増します。

 

帯域幅:最大18Gbps

対応解像度:4K(60Hz)、HDR

対応バージョン:HDMI 2.0

用途

最新の4Kテレビ、HDR対応のデバイスに最適

 

ウルトラハイスピード

HDMI規格の中で最も高性能なケーブルであり、最新のHDMI 2.1の全機能をサポートするために設計されています。8Kや高リフレッシュレートの4Kなどを滑らかに伝送するための高い帯域幅があり、eARCなども対応可能です。

また、電磁干渉(EMI)対策も施されており、他の無線機器の影響を最小限に抑えます。

 

帯域幅:最大48Gbps

対応解像度:最大8K(60Hz)、4K(120Hz) ※将来規格の10Kにも対応

対応バージョン:HDMI 2.1

用途

・最新のHDMI 2.1規格に対応するデバイス

・特に8K(60Hz)、4K(120Hz)の超高解像度映像や高リフレッシュレートのゲームプレイに対応

 

スタンダードとハイスピードのHDMIケーブルは、イーサネットに対応しているケーブルもあります(プレミアムハイスピードも一部対応)。映像と音声、イーサネット接続を統合できるため、複雑な配線を避けられるメリットがあります。

 

 

 

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