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D-subとは? どんな種類がある? 用途やピン数・シェルサイズについて解説

  • 半導体用語集
公開日:2024.11.07

D-subは、コンピュータや電子機器などで利用されている歴史があるコネクタです。

D-subの種類は、接点(ピン)の数や外形サイズによってさまざまで、ピン数が多くて外形サイズが大きいD-subは、耐久性に優れ、産業用途や特殊なデータ通信など、複雑な制御が必要な環境にも適しています。

本記事では、D-subコネクタの種類と用途について詳しく解説します。

 

 

D-subとは

 

D-subとは、D字型の金属シェルがあるコネクタで、コンピュータや電子機器の接続に幅広く利用されている標準的なインターフェースです。1950年代にコネクタメーカーのITT Cannon(旧:Cannon Electric)によって開発されました。

 

D-subの「sub」は、「subminiature」の略で、正式名称はD-subminiatureコネクタです。subminiatureは「超小型の」という意味で、このコネクタが開発された当時、他のコネクタに比べてとても小型であったことから「D-subminiature(D字型の超小型コネクタ)」と名付けられました。読み方は「ディーサブ」といいます。

 

D-subは、シェルが「D」字の形をしているため、正しい向きでのみ接続でき、確実な接続が可能です。

 

D-subの基本構成

D-subは、金属シェルとピンによって構成されています。

D字型の金属シェルは、接続部を保護するだけでなく、ノイズや外部の干渉から信号を守るシールドの役割もあります。また、コネクタの強度を高め、抜き差し時の摩耗からピンを保護します。

複数のピン(接点)には、それぞれデータ信号、電力供給、接地など特定の役割があり、ピン数が多いほど複数の信号や電力ラインを扱えます。

 

 

D-subの種類

D-subは、ピン数に応じてさまざまな種類に分類され、通常「DE-9」のように「D」+「シェルサイズ」+「ピン数」で呼ばれます。この場合、Eサイズのシェルに9ピンが配置されたコネクタということになります。

D-subはピン数が異なることで、接続可能な信号の種類や数、用途が変わります。ピン数が増えると、それだけ多くの信号や電力を同時に伝送できるため、より多機能で複雑な機器に対応可能です。

また、シェルサイズとは、コネクタの外形サイズ(外枠の大きさ)のことです。サイズはA~Eに分類され、サイズによってピン数に制限があります。

 

Aサイズ(DA):最大15ピン

Bサイズ(DB):最大25ピン

Cサイズ(DC):最大37ピン

Dサイズ(DD):最大50ピン

Eサイズ(DE):最大9ピン

 

シェルのサイズはピン数に関係し、接続用途に応じて適切なシェルサイズが選ばれます。

以下では、代表的なD-subを紹介します。

 

DE-9

9本のピンを2列に配置したDE-9は、RS-232Cシリアル通信ポートとして広く利用され、主にコンピュータと通信機器(モデムなど)間の接続に利用されています。

USBの普及以前は、DE-9がコンピュータと周辺機器をつなぐ一般的な方法でした。現在も信頼性や互換性が求められる分野では、重要なインターフェースとして使われています。

 

DA-15

15本のピンを2列に配置したDA-15は、かつてPCのゲームパッドやジョイスティックなどの入力デバイスを接続するために利用されていました。アナログビデオやゲーム用ポートとして利用されることが多く、現在は特定のシステムでのみ使われています。

 

DB-25

25本のピンを2列に配置したDB-25は、パラレルポートやRS-232Cシリアル通信ポートとして利用され、プリンターや一部の通信機器と接続します。DB-25は複数のデータラインを提供できるため、複雑な制御やデータ通信が必要な用途で使われています。

 

DD-50

50本のピンを2列に配置したDD-50は、SCSI(Small Computer System Interface)や産業用装置での多信号制御に利用されます。

DD-50はDサイズのシェルを使用しており、D-subコネクタの中でも特に大型のものに分類されます。大きなシェルは耐久性があり、コネクタの安定性と信頼性を確保するために役立ちます。

Dサイズシェルは、産業用の過酷な環境での利用に適しており、頑丈な構造によって耐久性を高めています。

 

高密度D-sub

通常のD-subと同じシェルサイズ内に、より多くのピンを収容できる高密度(HD:High Density)D-subコネクタも存在します。高密度D-subは、コンピュータやディスプレイ、通信機器の小型化が進むにつれ普及しました。

 

HD-15

PCで利用されるD-subコネクタとして最も一般的なのが、HD-15です。このコネクタは、15本のピンを3列に高密度で配置しています。VGA(Video Graphics Array)コネクタとして知られ、PCとディスプレイ(モニター)を接続するために使われています。

HD-15は、PCのグラフィックカードやマザーボードに搭載され、アナログビデオ信号を伝送する標準的なインターフェースとして長年にわたり普及してきました。

 

HD-26

26本のピンが高密集で3列に配置したHD-26は、ピン数の多さを活かし、通信機器でのデータ通信やシリアル通信に利用されます。ルーター、スイッチ、モデムなどのネットワーク機器で、複数のデータラインが必要な接続に最適です。

近年のネットワーク機器は小型化が進んでいるため、スペースを取らずに多くの信号を扱えるHD-26が重宝されています。

 

 

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