LEDとは? 何の略? 発光する仕組みや特徴を解説
- LED
LEDは電気を光に変換する半導体素子で、エネルギー効率が高く、長寿命な発光デバイスとして知られています。一般的な電球に比べて消費電力が少なく、環境にも優しいことから、照明やディスプレイ、車のヘッドライトなどに広く使われています。
本記事では、LEDとは何か、その特徴について技術的な背景を交えながら詳しく解説します。
LEDとは? 発光する仕組み
LEDとは、半導体の一種であり、電流を流すことで発光するデバイスです。
LEDが発光する仕組みをわかりやすく説明すると、半導体には「p型」と「n型」の2種類があり、p型は正孔(プラスの電荷を持つ空間)、n型は電子(マイナスの電荷を持つ粒子)を持っています。電圧をかけると、n型から電子がp型に移動し、正孔と結びつきます。結びつくときにエネルギーが放出され、それが光として現れるのです。
この現象を利用して光を生成するLEDは、白熱電球や蛍光灯に比べて圧倒的にエネルギー効率が高く、環境負荷も低減するため人気の発光デバイスとなっています。
LEDとは何の略?
LEDという言葉は知っていても、何の略語か知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?
LEDは「Light Emitting Diode(ライト・エミッティング・ダイオード)」の略です。日本語では「発光ダイオード」と呼ばれます。
白色LEDが発光する仕組み
LEDは1960年代に開発されましたが、当時は赤色の光しか発光できませんでした。しかし、その後の技術革新により、青色LEDが開発され、それを基にして白色光を作り出すことが可能になりました。
白色LEDを作り出す方法は、主に2つあります。
青色LEDと蛍光体の組み合わせ
青色LEDの光を蛍光体で変換し、青色、緑色、赤色の光を混ぜて白色光を作り出す方法です。これが最も一般的な方法です。
青い光が、LEDチップに塗布された蛍光体(通常は黄色の蛍光体)に当たると、蛍光体が青い光の一部を吸収し、緑や赤の波長の光に変換します。この青、緑、赤の光が混ざり合うことで、人間の目には白色光として認識される仕組みです。
RGB LED
「RGB」とは赤・緑・青の頭文字を取っています。「フルカラーLED」や「3色LED」とも呼ばれています。
RGB LEDは3つのLEDを組み合わせ、それらの光を混ぜ合わせて白色光を生成する方法です。調色の自由度は高いですが、コストや制御が複雑です。
上記のような方法で白色光を作ることが可能になったことで、照明の分野で急速に普及し、現在では家庭用から産業用まで幅広く利用されています。
LEDの特徴
エネルギー効率が高い
LEDの最大の特徴は、エネルギー効率の高さです。白熱電球の約10倍の効率で発光するため、同じ明るさを得るために必要な電力が大幅に少なくなります。そのため、電力消費を抑え、環境に優しい技術として評価されています。
長寿命
LEDはとても長寿命です。一般的な白熱電球が約1,000時間の寿命であるのに対し、LEDは約40,000時間以上の寿命を持つことが多く、交換の頻度が少なくなるため、コスト削減にもつながります。
発熱が少ない
従来の光源は発光時に大量の熱を発生させますが、LEDは発熱が少ないため、冷却が必要なシステムやデリケートな材料の照明にも適しています。また、発熱が少ないことは安全性の向上にもつながります。
即時点灯
LEDはスイッチを入れた瞬間に最大の明るさで点灯します。蛍光灯のように点滅したり、明るくなるまで時間がかかったりしないため、照明のレスポンスがとても高いです。
即時で点灯するため、車のヘッドライトや交通信号機など、迅速な反応が求められる場所で重宝されます。
小型・軽量
LEDは非常にコンパクトで、しかも軽量です。スマートフォンやテレビなどのデバイスに最適で、デザインの自由度を高めることが可能です。
LEDを使用するデメリット
メリットだらけに見えるLEDですが、コストや色味の面ではデメリットもあります。
初期コストが高い
LED照明は、購入時の初期コストが従来の白熱電球や蛍光灯に比べて高いです。ただし、長期的に見ると電力消費の削減や交換頻度が少ないため、コストパフォーマンスは優れています。
青色光の影響
LED光源は、特に白色光を作り出す際に青色LEDが使用されることが多く、青色成分の強い光が問題となる場合があります。いわゆる「ブルーライト」というもので、人間の体内時計に影響を与え、夜間に青色光に過度にさらされると、睡眠の質を低下させることがあります。
また、長時間強い青色光にさらされると、目の疲労や網膜へのダメージが懸念されます。そのため、青色光カット機能のある照明や、夜間の使用を制限することが推奨されることもあります。
色温度の変化
時間の経過とともに、LEDの色温度(光の色味)が変化することがあります。これは、発光する半導体材料の劣化や、周囲環境による熱の影響が原因です。
特に、温度の高い環境下では色温度の変化が顕著になるため、安定した色の光が求められる場面では注意が必要です。
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