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光センサとは? 仕組みや役割、種類、活用例について

  • 半導体用語集
公開日:2024.09.13

スマートフォンや非接触の温度計、太陽光発電など、日常生活で馴染み深い製品やシステムで活用されている光センサ。

本記事では、光センサとはどういったものか、役割や活用例、種類について解説します。

 

光センサとは? 役割について

光センサとは、受光素子により光エネルギーを検出し、電気信号に変換するデバイスの総称です。この技術は、さまざまな電子機器やシステムに応用されており、光の強さや位置、方向などを測定するために使用されます。

光センサは受光素子と発光素子の2種類で構成されます。受光素子は光エネルギーを電気信号に変換する電子素子で、発光素子は電気信号を光エネルギーに変換する電子素子です。

光センサにはさまざまな種類がありますが、受光の有無を検知する受光センサには、フォトダイオードやフォトトランジスタ、赤外線を受光して非接触で温度を検知するサーモパイル温度センサなどがあります。

また、光源となる発光素子と組み合わせて光の反射や透過の有無を検知することも可能です。たとえば、物体の有無や位置を検知するフォトインタラプタや、距離を検知する赤外線測距センサ、回転を検知する光学式エンコーダなどがあります。

特に、IoTデバイスやカメラのオートフォーカス、自動照明システムなどで重要な役割を果たしています。

 

 

光センサの基本的な仕組み

光センサの仕組みは、光エネルギーを電気信号に変換する原理に基づいています。

主に光電効果という、光が物質に当たった際に電荷キャリアを放出する現象を利用し、電流や電圧を発生させるものです。

光電効果には、外部光電効果と内部光電効果の2種類があります。

外部光電効果とは、金属の表面から電子が飛び出す現象のことをいい、これを利用して電子を集めて電流を生じさせます。内部光電効果とは、半導体に光が入射すると光エネルギーによって電子が励起され、電流や抵抗などの電気的性質が変化する現象です。

また、光センサには大きく分けて透過型と反射型があります。

透過型

発光部と受光部が対向して配置されているのが透過型です。検知する物体が発光部と受光部の間を通過する際、光が遮られることで検出が行われます。発光部と受光部を対向配置するため、設置にはスペースが必要です。

主に物体の有無の検出、物品数のカウントなどに使用されます。

 

反射型

発光部と受光部が同じ側に配置されているのが反射型です。光が物体に当たり、その反射光を受光部が検出することで物体を検知します。透過型と比べて配置が簡単ですが、反射条件に左右されやすいといった違いがあります。用途に応じて適切なタイプを選ぶことが重要です。

距離測定や色検出などに使用されます。

 

 回帰反射型

反射型センサの一種である回帰反射型は、特定の反射方法を利用して物体の検出を行います。回帰反射型も発光部と受光部が同じ側に配置されており、リフレクタを使用して、光を元の方向に戻すように設計されています。

リフレクタを使用することで光の戻りが安定するため、物体の検出精度が上がることが特徴です。また、通常の反射型センサよりも長い距離で検出できます。

主に物体検出や車両の位置検出、ドアの開閉制御などに使用されます。

 

 

光センサの種類

光センサには、用途や特徴が異なるさまざまな種類のセンサが存在します。
主な光センサの種類と特徴をまとめました。

 

フォトダイオード

フォトダイオードは、光エネルギーを電気信号に変換する半導体デバイスです。光が当たると内部で電子と正孔の対が生成され、それが電流として外部に出力されます。光が当たると電流が流れるため、これで光の強度を測定します。

好感度かつ高速応答が求められる用途に使用され、赤外線の検出に適しています。

 

フォトトランジスタ

フォトトランジスタは、フォトダイオードとトランジスタが一体化しており、フォトダイオードで出力した電流をトランジスタで増幅してから出力します。

フォトダイオードに比べて感度が高く、より微細な光の変化を検出できますが、応答速度はフォトダイオードよりも遅いのが特徴です。

 

フォトレジスタ

高抵抗の半導体でできているフォトレジスタは、光が当たると抵抗値が変化するセンサです。明るい環境では抵抗が低くなり、暗い環境では抵抗が高くなります。感度は高くないものの、コストが安価で広く利用されており、主に照度や明るさの測定に使われます。

 

分光センサ

分光センサは、特定の光エネルギーを選択的に検出するセンサです。 光学フィルタを使用して、特定の特性を持った光だけを通過させ、その光の強度を測定します。食品や環境、科学研究の分析機器などに応用されています。

 

太陽電池

太陽電池も光センサの一種と考えられます。光が当たることで発電し、その電力を利用します。発生する電流は光の強さに依存しており、太陽光の強度を測定する際に使用されることもあります。

 

光ファイバーセンサ

光ファイバーセンサは、光ファイバーを用いて光信号の変化を検出するセンサです。光ファイバー内を通過する光の強度や位置などが周囲の物理的条件(温度・圧力・変形など)によって応答します。遠隔測定が可能で、高精度が特徴です。

 

 

光センサの活用例

光センサの活用方法は、日常生活や産業分野など多岐に渡ります。

 

スマートデバイス

スマートフォンやタブレットに使用されるフォトレジスタなどには、周囲の光の強さを監視し、自動的にディスプレイの明るさを調整する機能があります。カメラのオートフォーカス機能も光センサが活用されています。

 

環境モニタリング

光センサは、環境のモニタリングシステムで広く利用されています。たとえば、太陽光発電システムでは、日射量を測定して発電量を最適化するために使用されます。その他、大気中の粒子の検出や水質分析にも応用されています。

 

自動照明制御

建物や公共施設の照明システムに光センサを組み込むと、周囲の明るさに応じて照明の点灯や消灯を自動で制御可能なので、エネルギー効率の向上が図れます。

 

産業用途

産業分野では、光センサを用いた品質管理や自動化システムが多く見られます。たとえば、製造ラインでの部品の有無検知、パッケージの検査、自動組み立てシステムなどで利用されています。

 

 

光センサの課題と未来の展望

光センサには多くの利点がありますが、感度や応答速度のバランス、外部ノイズの影響、温度変化による性能劣化などが生じることもあります。 特に、低コストなフォトレジスタは精度が劣ることも。

しかし、光センサ技術はますます進化し、より多様な用途での活用が期待されています。たとえば、光ファイバー通信や次世代の運転自動システム、さらには医療分野での光検査技術においても重要です。特に、ナノ技術を応用した高感度センサや、AIと組み合わせたセンサネットワークの開発が進んでいます。

光センサは生活や産業において重要な役割を果たし、その技術的な仕組みと応用範囲はますます広がりを見せています。

 

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