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NVIDIAが日本で設立1年たらずのSakana AI(サカナAI)に出資【資金調達によりユニコーン企業入りに】

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公開日:2024.09.05

人工知能(AI)分野で圧倒的な存在感を持つNVIDIA(エヌビディア)が、日本のスタートアップ企業「Sakana AI」に出資すると発表がありました。NVIDIA(エヌビディア)は、その技術力と投資活動によって多くの革新的スタートアップを支援しています。

今回は、設立からわずか1年未満の新興企業Sakana AIに対するNVIDIAの出資が大きな話題となっています。

この投資は、Sakana AIが一気にユニコーン企業入りするきっかけとなり、AI業界に新たな波をもたらしています。

本記事では、NVIDIAがなぜSakana AIに注目したのか、そしてこの企業がどのようにAI技術を進化させているのかを掘り下げていきます。

 

 

 

Sakana AI(サカナ AI)とは?

 

Sakana AIは2023年7月に設立された、AI技術を活用した革新的なソリューションを提供するスタートアップ企業です。

設立から短期間で市場に大きな影響を与え、ディープラーニングを中心とした技術開発で注目を集めています。

Sakana AIでは現在のスタンダードとなっているAI開発手法とは異なる、新たなAI開発手法にとりくんでいます。

個の力で問題を解決するのではなく、多数からなる「群れ」が力を合わせる事により、難題な障壁をこえたり革新的なアイデアができるという考え方です。

AIの世界でも、多数の異なるAIモデルやシステムが協力しあう事で、柔軟で効果的な問題解決を提供できると、プロジェクトを進めています。

 

その技術は「Evolutionary Model Merge(進化系モデルマージ)」という開発手法で、複数のAIモデルを組み合わせて、そこから新しい高性能モデルをつくります。

その他、オックスフォード大学やケンブリッジ大学と共同で、「DiscoPOP(Discoverd Preference Optimization)」というアルゴリズムを発表した。

※DiscoPOPとは、LLM(大規模言語モデル)が生成する文章などのコンテンツを、人から見てより価値の高く論理的なものに調整してくれるアルゴリズム。その手法は、「LLM駆動型開発プロセス(LLM-driben discovery process)」をもちいています。

 

 

共同創業者の経歴

 

CTO(最高技術責任者):ライオン・ジョーンズ氏

Google AIの元研究者。生成AI革命のきっかけをつくったといわれている「Attention Is All You Need」という論文の筆者の一人。

 

CEO(最高経営責任者):デビッド・ハ氏

Google AIの元研究者。イギリスのスタートアップStability AIの元研究トップ。

 

COO(最高執行責任者):伊藤 錬氏

元外務省。メルカリ元執行役員。

 

 

 

NVIDIAが投資した背景と期待値

 

NVIDIAがSakana AIに注目した背景には、AI技術の進化が急速に進んでいる現在の市場状況があります。

「グーグル」と「AMAZON」が「アンソロピック」に、「マイクロソフト」は「オープンAI」に出資などビックテックで生成AI分野への投資が強化されている中NVIDIAとしてはスタートアップを通じて優位性を強化する方法をとっています。

Sakana AI以外にもNVIDIAのスタートアップ企業にこれまでも多く出資しています。

2023年にはAIスタートアップ8社に出資しており、医療分野や工業分野においてスタートアップ投資を通じて技術を拡大させる狙いがあります。また、NVIDIAは世界の生成AIユニコーン企業42社のうち、18社に出資をし、長期的なリターンを追求しています。

 

 

NVIDIA 創設者兼CEOフェンスン・フアンが投資した理由

「各国は、独自の大規模言語モデルを通じてデータ、文化、言語を捕捉し体系化するために、ソブリン AI を採用しています。Sakana AI のチームは、NVIDIA の高速コンピューティング プラットフォームを使用して科学的発見を自動化および高速化する最先端の基盤モデルを開発することで、日本における AI の民主化を促進しています。」

※Sakana AI Blogから引用

 

 

 

Sakana AIがNVIDIAに投資される事のメリット

※Sakana AI Blogから引用

 

 

研究協力

 

Sakana AI は、より効率的な基盤モデル開発のための新しい手法を考案しながら、AI イノベーションの限界を押し広げ続けています。NVIDIA の GPU テクノロジへのアクセスは、進化的最適化手法のスケーリングやスパース性の活用など、いくつかのユースケースに向けた現在の取り組みに役立ちます。

 

 

日本のデータセンター

 

Sakana AI は、AI 研究の実施経験に加え、モデル開発を強化するための日本独自の国内ニーズを深く理解しています。NVIDIA がサポートするデータ センターに早期にアクセスすることで、初期テスト段階で実験を実行し、NVIDIA の最新テクノロジを活用した AI 開発で日本が競争上の優位性を確保できるようになります。

 

 

日本のAIコミュニティの育成

 

現在の日本の AI 人材の状況は、中国や米国の主要都市と比較すると技術的に限られています。しかし、この関係はそれを変える可能性を秘めています。NVIDIA のサポートを受けた Sakana AI の高度な AI 機能は、日本の AI コミュニティの知名度を高める可能性があります。イベントの開催、ハッカソン、大学へのアウトリーチなど、日本の AI コミュニティでの活動を増やしていきたいと考えています。

 

 

 

まとめ

 

今回の出資を機に、Sakana AIはAIの開発・運営に必要なデータセンター向けの画像処理(GPU)で世界シェア8割のNVIDIAの最新GPUを優先的に使えるようになります。よりスピード感のある変化が身近でもおとずれるのではないでしょうか。

 

 

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