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デンソーがロームに買収提案/パワー半導体を巡る業界再編が加速する可能性

  • 最新動向
公開日:2026.03.09

デンソーがロームに買収提案 1兆円規模の大型案件

 

2026年3月、自動車部品大手のデンソーが半導体大手のロームに対して買収提案を行ったことが明らかになりました。

ロームは同日、「デンソーから株式取得の提案を受領したのは事実」と発表しました。一方で、現時点では具体的な決定事項はなく、今後検討を進めるとしています。

報道によると、デンソーはTOB(株式公開買付け)によりロームの全株取得を目指す可能性があり、買収額は約1兆3000億円規模になると見られています。

この報道を受け、ロームの株価は前日比18%上昇のストップ高となり、市場でも大きな注目を集めています。

 

 

 

背景にあるEVとパワー半導体の重要性

 

今回の買収提案の背景には、電気自動車(EV)の普及によるパワー半導体需要の拡大があります。パワー半導体は電圧や電流を制御する半導体で、自動車では以下のような用途で使用されます。

・モーター駆動用インバーター

・バッテリー制御

・電動パワートレイン

 

特にEVでは、バッテリーの直流電力をモーター用の交流電力に変換するインバーターに大量のパワー半導体が必要になります。

最近では従来のシリコン半導体に代わり、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体が注目されています。

SiC半導体は以下のようなメリットがあります。

・電力損失の大幅低減

・高温環境での安定動作

・EVの航続距離向上

 

実際、トヨタのEV「bZ4X」ではSiCインバーターを採用することで、インバーターの損失を大幅に削減し、航続距離の向上につながりました。

 

 

 

ロームはSiCパワー半導体の世界トップクラス

 

ロームはSiCパワー半導体の世界トップクラスの技術力を持つ企業です。特徴は、材料からデバイスまでを自社で生産する垂直統合型の製造体制です。

主な工程を自社で保有しています。

・SiCウエハー

・エピタキシャル成長

・デバイス製造

・パッケージング

この体制により、コスト管理できた高品質製品の安定供給を実現しています。

ロームの売上の約半分は車載向けであり、EV市場の拡大とともに重要性が高まっています。

 

 

 

デンソーの狙いは半導体の「内製化」

 

デンソーはトヨタグループの中核部品メーカーであり、車載半導体の確保が重要な課題となっています。

デンソーはすでに

・TSMC系列企業への投資

・日本の次世代半導体プロジェクト「ラピダス」への出資

・富士電機とのSiC半導体協業

など、半導体供給の強化を進めてきました。

 

今回ロームを傘下に収めれば、EV向けパワー半導体の安定供給や、電動化コンポーネントとの統合開発、半導体からシステムまでの垂直統合が可能になるとみられています。

 

 

 

パワー半導体業界再編の引き金になる可能性

 

パワー半導体市場では現在、世界的に競争が激化しています。

主な競合企業には以下があります。

・インフィニオン(ドイツ)

・オンセミ(アメリカ)

・中国半導体メーカー

日本はパワー半導体分野で一定の競争力を持つものの、企業規模では海外企業に劣ると言われています。

国内では、三菱電機、富士電機、東芝、ロームなど複数企業が存在していますが、業界の再編はこれまで進んできませんでした。

今回の買収提案は、日本のパワー半導体業界再編の引き金になる可能性があります。

 

 

 

ロームを巡る「デンソー vs 東芝」の構図

 

ロームは現在、東芝とパワー半導体の生産で協業しています。一方でデンソーは富士電機と連携しており、日本のパワー半導体業界は

・ローム+東芝

・デンソー+富士電機

という形で協力関係が形成されてきました。

もしデンソーによる買収が実現すれば、この構図が大きく変わる可能性があります。

業界関係者の間では、「ロームがデンソー陣営に入るのか、それとも東芝との関係を維持するのか」が今後の再編のカギになると見られています。

 

 

 

EV市場の減速と中国勢の台頭

 

一方でパワー半導体市場は必ずしも順調ではありません。

近年はでは、EV市場の成長鈍化、中国メーカーの価格攻勢により、市場環境が厳しくなっています。

ロームも2025年3月期には最終赤字500億円を計上しており、拠点統廃合や不採算事業の見直し、SiC事業の収益改善などの改革を進めています。

こうした状況も、デンソーとの関係強化につながったと考えられています。

 

 

 

日本半導体産業の行方を左右する可能性

今回の買収提案は、単なる企業買収にとどまらず、日本の自動車産業や、EV競争、パワー半導体市場に大きな影響を与える可能性があります。

パワー半導体は、EV・再生可能エネルギー・データセンター・産業機器など幅広い分野で需要が拡大しています。

日本がこの分野で競争力を維持するためには、企業間の連携や再編が不可避との見方も強まっています。

デンソーによるローム買収が実現するのか、そして日本のパワー半導体産業がどのような形で再編されるのか、今後の動向が注目されています。

 

 

 

半導体業界の再編が進む中で、求められる人材とは

 

デンソーによるローム買収提案は、日本のパワー半導体産業の構造を大きく変える可能性があります。EVやAI、データセンターなどの拡大により、半導体産業は今後も世界的に人材需要が高まる分野といわれています。

半導体業界は専門性が高いため、業界に精通した転職エージェントを活用することがキャリア形成の近道になります。

 

 

 

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