ACアダプタとは?仕組みや種類と選び方について
- アダプタ
現代の生活において、電子機器は欠かせない存在ですよね。その中でも、ACアダプタは多くの機器を正常に動作させるために必要な重要な部品です。
本記事では、ACアダプタとはいったい何なのかという基本的なことから、仕組み、選び方のポイント、など詳しく解説します。
ACアダプタメーカーや商社をお探しの方にとって、お役に立てればと思います。
ACアダプターとは?
家電製品のほとんどは直流電流(DC:Direct Current)で動いています。
コンセントから出てくる電気は交流電圧(AC:Alternating Current)になります。
DCとACでは、電気の性質が違うため家電とコンセントを単純につなぐだけでは動きません。
そこで、交流を直流にかえる電源装置という機械が必要になります。
大きなな家電製品(冷蔵庫や洗濯機など)には電源装置が組み込まれているのですが、小型や軽量が重視されている家電製品には本体とは別途用意されています。
その別途用意している電源装置を「ACアダプター」とよびます。
正確にいうと 「AC/DCアダプター」といいます。
AC/DCとは交流(AC)から直流(DC)へ変換する意味になります。
また国によって商用電源の電圧はきまっており、日本国内の発電所から供給される電圧は100Vになります。海外では国により電圧変わるので、変圧器で使用する電気製品の対応電圧を合わせる必要があります。
交流電圧から直流電圧に変換せずに、変圧のみをおこなうアダプタをAC-ACアダプターとよびます。
国 | 電圧 | 国 | 電圧 |
日本 |
100V |
イギリス | 240V |
韓国 | 220V | イタリア | 220V |
インドネシア | 220-230V | オーストリア | 220-230V |
シンガポール | 230V | スイス | 220-230V |
タイ | 220V/240V | ドイツ | 220V-230V |
台湾 | 110V/220V | フランス | 220-230V |
中国 | 220V/250V | ポーランド | 220V |
マレーシア | 220V/240V | ロシア | 220V |
アメリカ | 120V | オーストラリア | 240V/250V |
カナダ | 110V | ニュージーランド | 230V/240V |
ハワイ | 110-120V | グアム | 110-120V |
ペルー | 220V | エジプト | 200V |
ブラジル | 110V/127V/220V | 南アフリカ | 220-230V |
AC/DCアダプターが使われている製品例
・ノートパソコン
・スマートフォン
・デジタルカメラ
・ゲーム機
・楽器に使うエフェクター
など、持ち運ぶことが前提とされているような電子機器本体には、変換回路を搭載させず、アダプター側で電源交換をおこなったり充電できるようにしています。
ACアダプターの構造と仕組み
アダプターは差し込みプラグ・本体・出力側コネクタの大きく3つのパーツでできています。
差し込みプラグ(ACピン)
差し込みプラグとは、コンセントに直接差し込む金属板部分になります。また、交流電圧が入力される箇所になります。
アダプタ本体に直接ついているタイプや、本体からケーブルで接続されたタイプがあります。このケーブルは固定されている物や取り外し可能なもがあります。
差し込みプラグは地域や工業規格で標準化されたいる為、日本では、Aタイプになり着脱タイプのものでは、海外仕様に適応できます。
主なプラグの形状
Aタイプ・Bタイプ・Cタイプ・SEタイプ・B3タイプ・BFタイプ・Oタイプ・O2タイプ
本体
アダプターの本体といわれる部分は、トランス、スイッチングレギュレータ、整流回路、安定化回路等々様々な電子部品が内蔵されています。
一昔前は黒くて四角い部分にあたるのですが、最近では色んな形や色がでています。
サイズは内部構造によって異なりますが、一般的には出力が高いほど本体も大きくなる傾向があります。
主なアダプター(本体部分)の形状
ストレート型・L字型・インレット型・折りたたみ式・着脱可能タイプ・USB型・丸形
出力側コネクター(DCプラグ)
電子機器に直流電流を提供するためのものが、コネクタ(DCプラグ)になります。
コネクタのピンによって供給される電力の極性がかわります。電子機器に異なる極性のコネクタを接続すると機器の劣化や破損の恐れがありますので注意が必要です。
EIAJ極性統一プラグによって標準化された規格や、メーカー独自のものなど多種多様存在しています。
電子機器のコネクタ挿入口付近には極性記号があります。黒丸と+記号が繋がっているものがセンタープラスを示し、-記号と黒丸が繋がっているものはセンターマイナスを示しています。
プラグの向きを変えて使用できる製品もありますが、使用前に機器の極性をチェックする事をおすすめします。
主な出力側コネクタ(DCプラグ)の形状例
ピン | ピン径 | 内径 | 外径 | 電圧範囲 | |
EIAJ電圧区分1(EIAJ♯1) | ジャック | Φ0.65㎜ | Φ0.7㎜ | Φ2.35㎜ | ~3.15V |
EIAJ電圧区分2(EIAJ♯2) | ジャック | Φ1.65㎜ | Φ1.7㎜ | Φ4.0㎜ | 3.15~6.3V |
EIAJ電圧区分3(EIAJ♯3) | ジャック | Φ1.65㎜ | Φ1.7㎜ | Φ4.75㎜ | 6.3~10.5V |
EIAJ電圧区分4(EIAJ♯4) | ジャック | Φ1.05㎜ | Φ3.3㎜ | Φ5.5㎜ | 10.5~13.5V |
EIAJ電圧区分5(EIAJ♯5) | プラグ | Φ1.45㎜ | Φ4.3㎜ | Φ6.5㎜ | 13.5~18.0V |
Φ2.1 DCプラグ・ジャック | プラグ | Φ2㎜ | Φ2.1㎜ | Φ5.5㎜ | |
Φ2.5 DCプラグ・ジャック | プラグ | Φ2.35㎜ | Φ2.5㎜ | Φ5.5㎜ | |
Φ1.1 DCプラグ・ジャック | プラグ | Φ1.00㎜ | Φ1.1㎜ | Φ3.0㎜ | |
Φ1.4 DCプラグ・ジャック | プラグ | Φ1.3㎜ | Φ1.4㎜ | Φ3.4㎜ | |
Φ3.1 DCプラグ・ジャック | プラグ | Φ2.95㎜ | Φ3.1㎜ | Φ6.9㎜ |
ACアダプターの種類
ACアダプターはトランス(変圧)タイプとスイッチングタイプの大きく2種類があります。
トランスタイプ(トランス式アダプター)
トランス式はドロッパー式、リニア式とも呼ばれています。
大型のコイルでできた電源トランス(変圧器)を使って電圧を換える電源装置になります。電源トランスは大きくて重いため、手に持った際に重たく感じるACアダプターは、大体トランスタイプです。
トランスタイプは、出力される電圧は一定ではなく定格に記された電流を消費した時に定格の電圧になるように設計されています。
ノイズが発生しにくいため、オーディオ機器や電話やラジオなど音声や音楽機器関連にに使われやすいアダプタです。
スイッチングタイプ(スイッチング式アダプター)
電源トランスが入っていない為、小型・軽量化が可能なアダプターになります。
スイッチングタイプは、一定の電圧を出力するのが特徴で、半導体を使って高速でスイッチをON/OFFする事により、電圧を変化させます。
そのため高周波ノイズが発生しやすくオーディオや電波通信には不向きです。
スイッチング電源では、高いままの電圧を整流し、コンデンサを使って平滑します。高い電圧はスイッチング素子をオン・オフ(チョッピング)する事によって高周波トランスを介しエネルギーを伝達します。その後ダイオードで整流、コンデンサで平滑された後、DC出力電圧に変換されます。
トランスタイプとスイッチングタイプの比較
トランス方式 | スイッチング方式 |
・回路が簡単 | ・回路が複雑 |
・ノイズが少ない | ・スイッチングノイズが発生 |
・低価格で作れる | ・高耐圧部品が多い(部品点数) |
・重量・体積がかさむ | ・小型・軽量化が可能 |
・大きい発熱 | ・少ない発熱 |
・効率が低い | ・効率が高い |
ACアダプターの選び方
電圧と電流の適合性
電子機器ごとに必要な電圧や電流が異なる為、電流と電圧の把握が必要になります。
電圧についてはアダプタに完全一致が必要になります。アダプターの電圧が低ければ製品自体が動かなかったり、高すぎると故障の原因になります。
電流に関しては、同じ電流のアダプターが使用できない場合は、デバイスが対応する電流よりも少し大きいアダプタがおすすめです。
また、極性も確認する必要があります。
コネクタのサイズ・ピンの規格の確認
コネクタ(DCプラグ)では、外径・内径、プラグの長さが必要になります。
プラグの長さ:金属部分の長さを指します。差込口の深さとプラグの長さがあっている事が必要です。
センターピンの直径とポートの内側の測定が必要です。
また商品毎にコネクタのピン規格が異なりますので、電子機器の規格を事前に確認する必要があります。
エネルギー効率
エネルギー効率が高いACアダプタを選ぶことで、消費電力を抑え、コストを削減することができます。また、環境に優しい設計も注目されています。
信頼性と安全性
高品質な部品を使用し、厳しい検査基準をクリアした製品を選ぶことが大切です。メーカーによっては、過電流防止や過熱防止機能が強化されているモデルもあります。
おすすめのACアダプターメーカー
小型化と高効率化が可能な最新技術のGaN(窒化ガリウム)技術を採用。安全規格や各種認証の取得、日本でも多くの実績があるAdapter Technology(アダプターテクノロジー)を紹介します。
詳細は下記画像からご覧ください。
さらに詳しい情報やご質問がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。早急に対応させていただきます。
貴社のニーズに最適なソリューションをご提案できることを心よりお待ちしております。
お問い合わせは下記からご連絡ください。