ディスプレイの解像度・画素密度(ppi)とは? 実際の見え方、スマホ・モニターのおすすめは?
- 半導体用語集
「解像度」や「ppi」は、ディスプレイの画質の細かさや見やすさを決める重要な指標であり、その裏側では半導体で作られたTFT(薄膜トランジスタ)やドライバICが画素ひとつひとつを制御しています。
本記事では、ディスプレイの解像度とppiの基本的な意味や用途別のおすすめ解像度などをわかりやすく解説します。
ディスプレイの解像度とは
ディスプレイの解像度とは、画面を構成する画素(ピクセル)の数を表す指標です。一般的には「横方向のピクセル数 × 縦方向のピクセル数」で表記され、例えば「1920×1080」と書かれていれば、横に1920個、縦に1080個の画素が並んでいることを意味します。
「1920×1080」はフルHDと呼ばれ、パソコンやテレビで広く普及している解像度です。
解像度が高いほど、画面上により多くの情報を表示でき、文字や画像がより滑らかに見えます。逆に、解像度が低いと画素が粗くなり、拡大するとギザギザが目立つことがあります。
代表的な解像度には以下のような種類があります。
| 解像度 | ピクセル数 | 主な用途 |
| HD | 1280×720 |
小型モニター、エントリーノートPC
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| Full HD (FHD) | 1920×1080 |
一般的なPCモニター、TV
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| WQHD | 2560×1440 |
高精細モニター、ゲーミング
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| 4K (UHD) | 3840×2160 |
大画面TV、動画編集用モニター
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| 8K | 7680×4320 |
超高精細映像、プロフェッショナル用途
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ただし、解像度が高ければ必ず見やすいわけではありません。
同じ解像度でも画面サイズが大きくなると、1インチあたりの画素数(画素密度)が下がり、画質が粗く見えることがあります。そのため、解像度と画面サイズのバランスが重要になります。
ディスプレイの画素密度(ppi)とは
画素密度(ppi:pixels per inch)とは、ディスプレイの1インチあたりに含まれるピクセルの数を示す指標です。
解像度が同じでも画面サイズが異なれば、1インチあたりのピクセル数は変わります。一般的にppiが高いほど、表示はより滑らかで精細になります。
ppiは次の式で求められます。
ppi=PPI√(横2+縦2) ÷ 画面サイズ
例えば、6インチのスマートフォンで1920×1080の解像度を持つディスプレイなら、ppiはおよそ367となり、非常に細かい表示が可能です。
一方で、同じ1920×1080でも24インチのモニターではppiが低くなり、ピクセルが相対的に大きくなるため、近くで見ると粗さを感じることがあります。
Appleが提唱したRetinaディスプレイの基準では、約300ppi以上あれば人間の目ではピクセルの粒を識別しにくいとされます。スマートフォンやタブレットでは300ppi前後、PCモニターでは100~150ppi程度が一般的です。
つまり、解像度だけでなく画面サイズとの組み合わせによって画質の印象が大きく変わるため、ディスプレイを選ぶ際にはppiにも注目することが重要です。
解像度とppiの関係
解像度とppi(画素密度)は密接に関係していますが、同じ意味ではありません。解像度はピクセルの総数、ppiはピクセルの細かさを示す指標です。
例えば、1920×1080ピクセル(フルHD)の解像度を持つディスプレイでも、
24インチモニターでは約92ppi
6インチスマートフォンでは約367ppi
となり、見た目の細かさは大きく異なります。
つまり、解像度が同じでも画面サイズが大きくなるほどppiは下がり、表示が粗く見える傾向があります。
逆に、小型画面で高解像度を採用するとppiが高くなり、非常に滑らかで精細な表示が可能です。
そのため、ディスプレイを選ぶ際は「解像度」だけでなく「画面サイズとのバランス」を考慮することが大切です。
例えば、27インチ以上のモニターではWQHDや4Kといった高解像度が推奨される一方、スマートフォンではフルHDでも十分に高精細に感じられます。
実際の見え方の比較
解像度やppiの違いは、実際の見え方に大きく影響します。
ppiが低いディスプレイでは、文字や線がギザギザに見えやすく、高ppiになるほど滑らかでくっきりとした表示になります。
例えば、同じ1920×1080(フルHD)の画像を24インチモニター(約92ppi)で表示すると、近くで見るとピクセルの粒がうっすら見えることがあります。
6インチスマートフォン(約367ppi)で表示すると、ピクセルが肉眼でほとんど識別できず、写真や文字が非常に緻密に見えます。
また、解像度が低いと小さな文字や細かい線は滲んだり、ジャギー(ギザギザ)が目立ちやすくなりますが、解像度が高くなると細部までくっきり表示され、写真や動画もよりリアルに再現されます。
ただし、高解像度になるとアイコンや文字が小さく表示されるため、OSの表示スケーリング機能で調整する必要があります。
用途や視聴距離に応じて、「解像度と画面サイズのバランス」を取ることが、快適な視認性を得るポイントです。
用途別の最適な解像度・画素密度(ppi)
ディスプレイの解像度や画素密度(ppi)は、用途や視聴距離によって「最適」と感じる値が変わります。高解像度すぎてもメリットを活かしきれない場合があるため、使い方に合わせて選ぶことが重要です。
スマートフォン
スマートフォンは視聴距離が近いため、300ppi以上が目安です。
フルHD(1920×1080)でも十分高精細に見えますが、4KディスプレイはVR用途や動画視聴に特化した機種で効果を発揮します。
タブレット
タブレットはスマホよりやや離して使うため、250ppi前後あれば十分です。解像度はフルHD以上がおすすめで、電子書籍や図面の閲覧ではWQXGA(2560×1600)以上が見やすくなります。
PCモニター
PCでは視聴距離がさらに遠くなるため、24インチならフルHD(約92ppi)でも快適ですが、27インチ以上ではWQHD(2560×1440)や4Kを選ぶと表示が精細になり作業効率が向上します。
文字や画像編集では高解像度が特に有利です。
ゲーミング・動画編集
ゲーミング用途では、高解像度だけでなくリフレッシュレート(144Hz以上推奨)も重要です。
動画編集や写真編集では、4Kディスプレイ+高い色再現性を備えたモニターが理想的です。
大型テレビ・サイネージ
視聴距離が長いリビングや展示場では、画面サイズと視聴距離のバランスが重要です。
一般的に、2〜3mの距離であれば55インチ以上なら4Kがおすすめ。近距離なら32〜40インチでフルHDでも十分です。
このように、視聴距離・画面サイズ・作業内容の3要素を考慮して解像度とppiを選ぶことで、無駄なコストをかけずに快適な表示環境を作れます。
ディスプレイメーカーの詳細は、以下で紹介しています。
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