TSMCがドイツで車載半導体供給拠点になる工場の起工式典を開催
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公開日:2024.08.21
半導体の受託生産で世界最大手の台湾TSMCが2024年8月20日に、ドイツで車載半導体供給拠点となる新工場の起工式を盛大に開催しました。
TSCMにとってはヨーロッパで初となる工場になり、TSMCが昨年設立したドイツの子会社であるヨーロピアン・セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(ESMC)が建設します。
工場では、16/12ナノの立体構造トランジスタ(FinFE、フィンフェット)技術や、28/22ナノメートルの相補性金属酸化膜半導体(CMOS、シーモス)を採用予定。
ドイツのショルツ首相は「ヨーロッパとドイツで半導体の生産能力を拡大することは重要だ。半導体の供給をほかの地域に依存してはならない」と述べた。
ヨーロッパおよびドイツにとって半導体生産の重要さを語りました。
工場の投資額は約100ユーロ(およそ1兆6000憶円)となる見込みで、約半分の50ユーロをドイツ政府が支援する見通し。
POINT
TSMCのドイツ新工場は、欧州内での半導体供給チェーンを強化し、欧州の自動車産業における半導体供給リスクを低減します。
これにより、欧州全域の自動車メーカーが安定的に車載半導体を調達できるようになり、競争力の向上が図られます。
昨年ドイツの大手自動車部品メーカーのボッシュなどと合弁会社に出資をしている。
欧州半導体法
2030年までに世界の半導体市場におけるEUのシェアを現在の10%から20%以上に倍増させるために、公的・民間部門で430憶ユーロの投資を動員するとしている。
TSMCの台湾以外の工場計画
量産計画 | 生産能力 | ||
アメリカ | アリゾナ Fab21 | 25年4ナノ量産、27年3ナノ量産 | 年産能力60万枚 |
アメリカ | ワシントン Fab11 | 0.18~0.35マイクロ | |
ヨーロッパ | ドイツ ドレスデン |
車載用半導体、24年末着工、27年末生産開始 CMOS 22/28ナノ、FinFET 12/28ナノ |
月産能力4万枚 |
日本 | 熊本 Fab23 P1 |
24年末量産予定 12/16ナノ、22/28ナノ |
月産能力5.5万枚 |
日本 | 熊本 Fab23 P2 | 24年4月着工、26年量産予定 | |
中国 | 南京 Fab16 | 12、16、22、28ナノ | |
中国 | 上海 Fab10 | 0.11~0.35マイクロ |