サムスン、テスラ向け2.4兆円の半導体受託生産契約を締結
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サムスンが2.4兆円規模の半導体製造契約を獲得、発注元はテスラか
2025年7月28日、韓国サムスン電子は、22兆8000億ウォン(約2兆4370億円)にのぼる半導体受託生産(ファウンドリー)契約を締結したと正式に発表しました。契約期間は2025年7月24日から2033年12月31日までの8年超にわたり、同社の半導体部門における単一顧客として過去最大級の契約金額です。
契約先企業の名称は機密保持条項により非公開とされていますが、複数の報道および関係者の証言により、その相手は米電気自動車大手テスラであると見られています。
マスク氏が「イエス」と認めたAIチップ製造
この憶測に対し、テスラCEOのイーロン・マスク氏はSNS「X(旧Twitter)」上でユーザーの質問に対し「イエス」と回答。さらに、テスラが開発する次世代AI半導体「AI6」について、サムスンがテキサス州テイラーに建設中の新工場で製造する予定であることを明言しました。
マスク氏は「この戦略的重要性は計り知れない」とコメントし、自らがサムスンから製造最適化の支援権限を付与されていることも明らかにしました。
さらに、今回公表された契約金額(165億ドル=約2.4兆円)は「あくまで必要最低限」であり、将来的にはその数倍の規模になる可能性も示唆しています。
サムスンの反転攻勢:TSMCに挑む2nm競争
今回の契約は、長らく業績が低迷していたサムスンのファウンドリー部門にとって重要な起死回生策といえます。
2025年上期における営業利益のうち、半導体を含むDS(デバイスソリューション)部門はわずか1兆ウォン未満と見られ、赤字体質からの脱却が急務でした。
世界市場では、ライバルのTSMC(台湾積体電路製造)が約68%のシェアを誇る一方で、サムスンのシェアは8.1%から7.7%へと低下。工場の稼働率向上に必要な受注の確保にも苦しんでいました。
しかし、今回の大型契約によってサムスンは、次世代2ナノメートル(nm)プロセス技術の実用化に向けた信頼を市場から獲得したと考えられます。
AI時代における演算用ロジック半導体の需要拡大に伴い、同社の製造プロセスの技術力と歩留まり改善が認められた形です。
テスラ×サムスン連携がもたらす業界への波紋
この契約発表を受け、サムスン株はソウル市場で6.8%上昇し、11カ月ぶりの高値圏に到達しました。EVメーカーと半導体大手の連携は、AIチップの内製化と外部製造の新たな形を示す事例として、今後のファウンドリー業界全体にも影響を与える可能性があります。
まとめ
サムスン電子は、アメリカのテスラと見られる顧客との2.4兆円規模の受託契約によって、低迷するファウンドリー事業の再建に向けて大きな一歩を踏み出しました。
AI・EV・2nmといった次世代キーワードを背景に、同社がTSMCとの競争をいかに巻き返すのかが今後の焦点となりますね。
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