ファーウェイ「MateBook Fold」発表|国産5nm半導体&独自OS「HarmonyOS」搭載で脱アメリカ依存を加速
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中国通信機器大手のファーウェイ(Huawei)は、2025年6月6日、最新ノート型パソコン「MateBook Fold」を発表しました。この新製品は、国産5ナノメートル(5nm)世代の半導体を初めて搭載し、さらに自社開発の基本ソフト(OS)「HarmonyOS(ハーモニー)」を採用している点で大きな注目を集めています。アメリカによる規制強化の中、ファーウェイの独自技術戦略が本格化しています。
15万人が予約、注目の「MateBook Fold」の特徴
MateBook Foldは、同社の公式通販サイト「華為商城」で販売開始前からすでに15万人以上(6日時点)の予約が入り、高い関心を集めています。
最大の特徴は、全面有機EL(OLED)ディスプレイを採用した折りたたみ式デザインです。開くと全画面がシームレスな有機ELディスプレイとなり、視認性・操作性ともに高い没入感を提供します。
さらに、今回のモデルには回路線幅5nm世代の国産半導体が搭載されており、中国の半導体技術の進展を象徴する存在ともいえます。
独自OS「HarmonyOS」で米国規制に対応
これまでファーウェイのノートPCは、主にマイクロソフトの「Windows」を搭載してきましたが、米国による制裁措置・規制強化に対応するため、OSの自社開発を推進してきました。
新たに搭載されたHarmonyOS(ハーモニー)は、ファーウェイのスマートフォンにも搭載されており、PCとスマホ間でのデータ共有・ファイル転送のシームレスな連携が可能となっています。
エコシステムの統合が進むことで、ユーザー体験の向上が期待されています。
中国市場での自国技術シフトが加速
現在、中国国内のPC用基本ソフト市場は依然としてマイクロソフト(Windows)とアップル(macOS)が圧倒的なシェアを占めています。しかし、今回のファーウェイのように、独自OSと先端半導体を組み合わせた製品投入は、中国の技術自立化戦略の一環として位置付けられています。
また、シャオミ(Xiaomi)も先月(2025年5月)、独自開発した最先端半導体を搭載する新型スマートフォンを発表しており、中国ハイテク企業の間で国産技術の開発競争が加速しています。アメリカによる技術輸出規制が続く中、このような動きは今後さらに活発化する可能性があります。
まとめ
ファーウェイの「MateBook Fold」は、5nm半導体の国産化と独自OS「HarmonyOS」搭載という二つの大きな技術的挑戦を結集させた製品です。
今後の販売動向次第では、中国国内のみならず世界のPC市場における勢力図にも影響を与える可能性があります。
中国半導体産業や自国OS開発の行方に注目が集まりますね。