【営業職の転職】半導体商社・メーカーの違いは? 求人傾向・求められるスキル
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半導体業界の営業職で転職を検討する際、次のキャリアを考える際に重要なのが「商社か、メーカーか」という選択です。
どちらも同じ「営業職」でありながら、担当する領域、商談プロセス、求められる専門性やスタンスには明確な違いがあります。
特に、すでに営業スキルを持っている方は、自身の志向・強み・働き方にフィットする環境を選ぶことが、次のキャリアの質を左右します。
本記事では、商社営業とメーカー営業の違いを明確に理解できるよう、役割・業務内容・スキルなどの観点から解説していきます。
【比較表】半導体業界の商社営業・メーカー営業の違い
商社営業 | メーカー営業 | |
取扱製品 | 複数メーカーの商材(調達型) |
自社製品(製造型)
|
業務範囲 | 調達、提案、納期調整、貿易業務など多岐に渡る |
製品理解・提案、アフター対応に特化
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顧客 | 幅広い業界、複数企業を担当 |
特定企業に深く関わる傾向
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技術知識 | 広く浅く+商流理解が重要 |
製品構造・設計まで深く求められる
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キャリアパス | 海外営業、営業企画、技術営業への展開も |
事業部長や製品企画、海外駐在など多彩
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英語使用 | 海外メーカー対応で頻繁 |
グローバル拠点連携で必要なケースもあり
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半導体商社の営業職|求人傾向・求められるスキル
半導体商社の営業職は、国内外メーカーと顧客企業をつなぐ「仲介機能」+「提案機能」が求められる重要なポジションです。産業横断的な営業経験や、調達・交渉スキルを持つ人材にとって、市場価値が高まりやすい分野です。
近年では、世界的な半導体需要の高まり(EV、自動運転、AI、IoTの普及)により、安定的な調達・供給を担う商社の存在感が増大しています。
求められるスキル
・顧客/メーカーの間で調整・交渉できるコミュニケーション力
・納期管理や在庫調整といった業務の正確性・スピード感
・技術職ではないが、製品構造や用途の理解力は必須
・複数案件を同時に回せるマルチタスク管理能力
・英文メール・契約書対応ができると差別化要因になる
主な職種・仕事内容
法人営業(国内・海外対応)
顧客(電機メーカー、自動車部品メーカーなど)への提案営業や、サプライヤー(国内外の半導体メーカー)との価格・納期調整などを行います。
その他、需要予測・在庫調整・売上管理なども含みます。
技術営業(FAE:Field Application Engineer)
顧客の要望に基づき技術的なソリューションを提案します。
設計段階での仕様選定支援や評価・導入サポートなども行い、メーカーと顧客技術部門の橋渡しの役割を担います。
調達/購買営業
調達業務では、価格競争力のあるサプライヤー選定から契約交渉、納期・在庫管理、原価低減施策の提案までを幅広く担当します。
海外メーカーとの価格調整や長納期化への柔軟な対応も求められ、サプライチェーン全体を見通す力が必要です。
海外営業/輸出入業務
海外営業では、輸入・輸出の商流管理を行いながら、顧客や仕入先との価格・納期調整、契約書作成、通関・法規対応までを一貫して担当します。
インコタームズや各国の規制対応など、貿易実務に関する高い専門性が求められるポジションです。
半導体メーカーの営業職|求人傾向の特徴・求められるスキル
半導体メーカーの営業職は、製品ライフサイクルが長く、仕様・納期・生産計画との調整が重要な業界です。
だからこそ、営業は「技術と顧客をつなぐ戦略的パートナー」としての役割を担います。
求められるスキル
・自動車・家電・産業機器メーカーなどとの顧客折衝力(法人営業経験)
・顧客の技術部門と対話するため、半導体製品や業界構造の理解
・顧客の技術的課題やコスト課題に対して具体的解決策を提示する提案力
・海外顧客/拠点/サプライヤーとのやりとりが行える英語力
・開発/品質保証/生産技術部門と横断的に連携する対応力
主な職種・仕事内容
法人営業
製品仕様のヒアリング、納期・価格の調整、契約交渉などを行います。生産見通しに基づく需給調整、出荷管理、売上計画の策定、社内の技術・品質・生産管理部門との連携も重要です。
メーカー営業では、担当顧客との長期的な関係構築が必要です。
セールスエンジニア(技術営業)
顧客の技術課題に応じた製品選定と技術的提案を行います。そのため、営業職でありながら、高い技術理解が求められます。
仕様書の読み解き、回路図や設計意図の確認ができ、開発初期から量産までの技術フォローが必要です。顧客の設計フェーズに入り込んでの活動が多く、製品の採用可否に直結するためやりがいがあります。
海外営業(グローバルアカウント担当)
海外顧客に対する製品提案・価格交渉を行います。現地代理店/拠点との折衝・情報収集や、契約書・仕様書などの英語対応、海外出張・展示会対応などが業務内容です。
英語での会話・読み書き能力は必須となり、グローバルメーカー、外資系との商談や技術資料のやり取りも多くあります。
半導体商社・メーカーどちらの営業職に向いてる?
半導体商社の営業に向いている人
・「売る」よりも「つなぐ」ことにやりがいを感じる人
・環境の変化に強く、臨機応変な対応が得意な人
・製品そのものより、商流やビジネスモデルに興味がある人
半導体商社の営業職は、スピード感と柔軟性、幅広い対応力が求められる仕事です。複数の仕入先や顧客を同時に担当するケースが多いため、マルチタスクを得意とする人に向いています。
また、顧客対応から納期調整までのフローを迅速にこなす必要があり、スピード感をもって仕事に取り組めるタイプが評価されやすい傾向にあります。
さらに、日常的にサプライヤーと顧客の間に立ち、価格交渉や調整を行う場面が多いため、提案力・交渉力・調整力に自信のある人には適した環境です。
商社では輸入商材の取り扱いや海外メーカーとのコミュニケーションが発生することも多く、英語スキルや貿易実務の知識を活かせる場面も豊富にあります。こうしたスキルを活用したい人には、特に魅力的なフィールドです。
半導体メーカーの営業に向いている人
・製品や技術に誇りを持ち、それを提案することにやりがいを感じられる人
・顧客の課題解決に深く関わる営業がしたい人
・部署横断型のプロジェクト(技術・生産・品質との調整)に魅力を感じる人
半導体メーカーの営業職は、製品への理解を深め、長期的に顧客と向き合いたい人に適した仕事です。自社製品を長く扱うことになるため、製品への深い理解や誇りを持てる人にとっては、大きなやりがいを感じられる環境です。
顧客との関係も短期的な取引ではなく、製品の採用から量産に至るまでの長期的な関係構築が求められ、信頼関係をじっくり築きたい人には最適です。
また、営業でありながらエンジニアと密に連携し、技術的な視点からの提案や仕様理解が日常業務に含まれるため、技術に興味のある人や理系的な思考を持つ人にも向いています。
担当顧客を絞り、1社ごとに深く向き合うキーアカウント制が中心であることから、1社をじっくり掘り下げるスタイルが合う方にはとても相性の良い職場です。
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