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2025年2月の世界半導体市場、前年比17.1%増で過去最高|生成AI需要が米州を中心に牽引

  • 最新動向
公開日:2025.04.21

2025年2月の世界半導体市場、前年比17.1%増で過去最高を更新

 

米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)は、2025年2月の世界半導体売上高が前年同月比で17.1%増の549億2,000万ドルに達し、2月としては過去最高額を記録したことを発表しました。

※主要半導体メーカーで構成される世界半導体市場統計(WSTS)のデータに基づいています。

 

一方、前月比では2.9%減となり、これで3か月連続のマイナス成長となっています。ただし、前年同月比での売上高増加は2023年11月から16か月連続、そのうち10か月連続で17%以上の成長を維持しており、市場の底堅い回復を示しています。

 

 

 

アメリカが前年比48.4%増とけん引、生成AI関連需要が主因

 

2025年2月 前年対比

 

市場 2025年2月 2024年2月 前年対比
アメリカ 18.64 12.57 48.4%
ヨーロッパ 4.01 4.36 -8.1%
日本 3.78 3.60 5.1%
中国 15.06 14.26 5.6%
アジア太平洋/その他 13.42 12.12 10.8%
合計 54.92 46.90 17.1%

※単位:10億ドル

 

特に成長を牽引したのは米州(アメリカ市場)で、前年同月比48.4%増と圧倒的な伸びを見せました。SIAのCEO、ジョン・ニューファー(John Neuffer)氏は、「生成AI(Generative AI)関連の需要が引き続きアメリカを中心に拡大しており、半導体市場全体をけん引している」と述べています。

 

 

 

地域別の動向:日本市場も堅調に推移

 

2025年2月 前月対比

 

市場 2025年2月 2025年1月 前月対比
アメリカ 18.64 19.54 -4.6%
ヨーロッパ 4.01 4.11 -2.4%
日本 3.78 3.90 -3.1%
中国 15.06 15.54 -3.1%
アジア太平洋/その他 13.42 13.44 -0.1%
合計 54.92 56.53 -2.9%

※単位:10億ドル

 

地域別での前年同月比の売上高の変動は以下の通りです:

  • アメリカ:+48.4%

  • アジア太平洋/その他:+10.8%

  • 中国:+5.6%

  • 日本:+5.1%

  • 欧州:-8.1%(唯一のマイナス成長)

 

また、前月比ではすべての地域で減少傾向にあり、アメリカが-4.6%、日本と中国がともに-3.1%、欧州が-2.4%、アジア太平洋/その他が-0.1%と、全地域で3か月連続のマイナス成長となりました。

 

 

 

日本市場の動きと為替の影響

 

日本市場の売上高は、ドルベースでは37.8億ドル(前月比-3.1%、前年比+5.1%)でしたが、円ベースでは約5,744億円で、前年同月比で約6.8%増加しています。ただし、2024年と2025年の為替レートの差が縮まりつつあるため、円ベースでの伸び幅は今後鈍化する可能性があります。

 

 

 

今後の見通し

 

サプライチェーンの在庫調整も一巡しつつあり、今後は生成AIをはじめとした新技術分野の需要が市場の成長を支えていくと見られます。2025年後半にかけては、2nmや次世代チップ製造技術の商用化が進むことで、さらなる需要の拡大も期待されます。

 

まとめ

 

  • 2025年2月の世界半導体売上高は549.2億ドルで2月として過去最高

  • 前年比17.1%増、前月比2.9%減(3か月連続マイナス)

  • 米州の成長が突出(前年比+48.4%)

  • 生成AIが世界市場をけん引

  • 地域別では欧州のみ前年比マイナス

  • 日本市場は円ベースで堅調だが為替影響に注意

 

 

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