【2025年2月後半】半導体・電子部品業界NEWSピックアップ
- 業界NEWS

2025年2月後半の半導体業界では、技術革新や設備投資の拡大が活発に行われました。また一方で、輸出規制や関税の影響、M&AやTOBなどが業界に影響を及ぼしていますね。
本記事では、業界の最新動向や注目すべきニュースをピックアップしております。最新トレンドを確認できるため、今後のビジネスにぜひお役立てください。
それでは、2025年2月後半の半導体・電子部品業界ニュースをご紹介します。
【2月後半】半導体業界NEWS
2月28日
・熊本県産業技術センターと西日本工業大学などは、北九州市内で九州の半導体関連振興に向けたシンポジウムを開催した。熊本と北九州で半導体関連産業の集積が進んでいる。
・ルネサスエレクトロニクスは、自社の汎用マイコンが欧州連合(EU)の新規制で求められるサイバーセキュリティーの要件を満たす認証を取得したと発表。今後必要に応じて認証取得する製品の範囲を広げる。
・ニデックは、牧野フライス製作所に提案しているTOBを巡り、イタリアで外資規制上の許認可手続きが完了したと発表。ニデックはTOBに必要な競争法や外資規制への対応手続きを各国で進めており、4月初旬までにすべて完了させたい考え。
2月27日
・出光興産は、千葉事業所内に硫化リチウムの製造設備を建設すると発表。酸化リチウム製造設備を建設すると発表。トヨタ自動車の新型車への全固体電池搭載を見据え、2027~2028年の実用化を目指す。
・マイクロン・テクノロジーは、2026年から広島工場で最先端メモリーの量産を始めると明らかにした。回路線幅は10ナノメートルの一次記憶用DRAMで、データ転送速度は従来比15%高い。
・パナソニックホールディングスは、津賀一宏会長が会長職を退くと発表。6月23日付で特別顧問につく予定。
・マイクロソフトは、バイデン前政権が1月に公表した人工知能(AI)半導体の輸出規制案を見直すようにトランプ政権に求めた。約120か国に対し半導体の輸出数量を制限する内容の為、各国は中国に頼ることになると警告した。
・ソシオネクストは、次世代の計算機として期待される凝視コンピューターに使うチップをグーグルと共同開発すると発表。量子コンピューターは様々な計算を桁違いの速さで解くが、計算時にエラーが多い点が課題となっている。エラーを防ぐ安定性の高いチップを開発し、実用化を後押しする。
・百度(バイドゥ)とCATLは、自動車のデジタル化や自動運転をめぐって提携したと発表。人工知能の活用も共同で進める予定。
2月26日
・クオルテックは、電気自動車(EV)などで電力を制御するパワー半導体の専門拠点を堺市内に開設した。従来3か所に分かれていた機能を集約し、試験の請負能力を5割高めた。
・SMKは、車載向けのコネクターの新製品を発表。車の電子制御ユニット(ECU)とディスプレーなどをつなぐ。接続部分に高速伝送が可能なUSBタイプを採用。
・エヌビディアは2024年11月~25年1月期決算を発表。売上が約5兆8600億円(前年同期比78%増)で、市場予想の65%増を上回った。人工知能(AI)半導体の需要はまだ拡大するとみる。
・レスターは、九州・沖縄の地方銀行から66億円を調達する。主に九州内拠点でPPAによる再生可能エネルギーの導入に充てる。
2月25日
・トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、ルネサスエレクトロニクス、ソシオネクスト、デンソーなど国内メーカー14社が参画する「自動車先端SoC技術研究組合(ASRA)」は、自動運転に使う半導体の国の補助額が最大410億円増えたと発表。(従来は10億円)2028年度までに半導体を開発し、30年以降実用化を目指す。
・住友化学は半導体材料の増産や開発体制の強化に500億円を投じる。最先端半導体向けのフォトレジストを韓国で生産するほか、半導体を最終製品に仕上げる後工程向けの材料などの開発体制も整える。
・セイコーエプソンは、印刷技術を使ってガラスなどに電子基板を形成するプリンテッドエレクトロニクスについて、SUSS Micro Tec SE社との協業を開始すると発表。
・田中化学研究所は、ノースボルト社に対する債権20億円が取り立て不能または取り立て遅延になるおそれが生じたと発表。電気自動車(EV)電池の開発で中国勢に押されて資金めぐりが悪化し、2024年11月に日本の民事再生法にあたるアメリカ連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請していた。
・新都ホールディングスは、AI(人工知能)データセンターを設ける。エヌビディア製の最新GPUを搭載したサーバーをHASHCATジャパンを通じスーパーマイクロから購入し計算能力を貸し出す。
・アップルが、今後4年間で5000億ドル(約75兆円)以上を支出・投資する計画を発表した。トランプ大統領が掲げる製造業の米国回帰に歩調を合わせ、自社製品への追加関税回避を狙う想定。
・テスラが破産手続きにはいったドイツの自動車向け機械メーカーのマンツの一部資産を買収する事で合意した。ドイツにあるテスラの機械製造子会社を通じて、マンツの300人以上の従業員と工場などの資産を引き継ぐ。
2月24日
・アメリカブルームバーグ通信は、トランプ政権が中国に対する半導体関連の規制強化について日本、オランダの当局者と協業したと報じた。軍事利用できる先端半導体の開発能力を抑える狙いとみえる。
2月22日
・東京エレクトロンは、2029年までの5年間で1万人としていた新規採用計画の上方修正を検討する。半導体回路の微細化や積載構造など製造の難度が高まる中で、装置の開発や運用の専門人材を育てる。
2月21日
・セントラル硝子は、環境への悪影響が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を使わない半導体材料を開発。2028年の量産開始を目指す。
・ホームセンターのコメリは太陽光式で人勧センサー付きの庭用ライトをプライベートブランドで新たに発売。半径5メートルの範囲で人などを感知すると2.5~10倍に明るさが変わる。防犯対策として活用できる。
・パナソニックインダストリーは、伊勢工場について国際標準化機構(ISO)の認証が取り消されたと発表した。電子材料を手掛ける国内工場に続き、部品工場も処分を受けた。
・SWCCは、TOTOKUを連結子会社化すると発表。SWCCが約144億円で発行済み株式の51%を、日本政策投資銀行(DBJ)が49%を取得する。
・TSMCの進出を機に、企業集積が進む熊本県で半導体産業の持続的な発展を目指す協議会が発足した。TSMC子会社のJASMや東京エレクトロン九州といった県内に拠点を持つ約40企業・団体が参加。団体名は「くまもと半導体グリーンイノベーション協議会」
2月20日
・キオクシアホールディングスは、次世代のNANDフラッシュメモリーを開発したと発表。性能を示す積層数332層と従来の218層から増やした。データ転送速度も33%高めた。
・キャノンは、本格的な動画が撮影できるコンパクトデジタルカメラの新製品を4月に発売すると発表。搭載する画像センサーの大きさをこれまでの約2倍にし、高画質の動画がとれるようにした。
・皆藤製作所は、長崎工場の竣工式を行った。電気自動車向けのリチウムイオン電池、電固体電池などの電池や各種コンデンサーを製造する。
2月19日
・トレックス・セミコンダクターは電流と電圧制御用のアナログ半導体で、従来より大電流に対応した新製品を開発した。ドライブレコーダーや産業機器、記憶媒体など幅広い製品への搭載を見込む。20日から138円で販売する予定。
・沼津製作所は、材料分析や医療研究などに使うビデオカメラで、1秒あたり最高2000万コマを撮影できる「ハイパービジョンHPV-X3」を販売開始した。研究用のビデオカメラとしては世界最高レベルとなる。販売希望価格は4477万円。2026年3月期に40台程度の販売を見込む。
・片岡製作所は、ペロブストカイト型太陽電池の製造に使うレーザー加工機の新工場を建設すると発表。2029年の完成を目指して2棟の建屋を新新築定。29年までに関連事業の売上高を100億円超に高める。
・サン電子工業は、27億円を投じて島根県の出雲工場と益田工場の生産能力を拡充する。車載向けコンデンサーの需要増に対応するほか、電気自動車(EV)や自動運転車の市場拡大に備える。
・ルネサスエレクトロニクスは、機器が動いていない時に消費電力を従来の100分の1以下に抑えたマイコン半導体を開発したと発表。IoT機器など、消費電力をできるだけおさえたい需要が高まっている。
2月18日
・鈴与商事は、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた電力購入契約(PPA)事業のモデル構築へ実証実験を始めると発表。4月をめどにグループ会社の拠点に太陽光発電設備を設け、できた電力を最適な運用制御で使い、余剰電力は蓄電池に溜めて活用する。数年内に事業化を目指す。
・東京応化工業は、2027年12月期までの中期経営計画中に、半導体製造時に使う高純度化学薬品の海外拠点整備に向け、欧米韓へ投資する検討を進めている事を明らかにした。
・日本電気硝子は、次世代半導体仕上げ工程で実用化が期待されているガラス基板を開発する。1辺が600mmの世界最大級の角型基盤を開発し、2028年までに販売を開始する予定。基板の素材を樹脂からガラスに変更する事で、省電力性能や良品率の向上を目指す半導体メーカーに採用を呼びかける。
・トヨタ自動車は、アメリカで韓国のLGエネルギーソリューションから車載用電池を調達すると明らかにした。2024年末にゼネラル・モーターズが出資引きあげを決めたLGエネルギーソリューションの工場から調達する。発注規模は約2300億円とみられる。
2月17日
・太陽誘電は、主力拠点の玉村工場内に建設していた積層セラミックコンデンサー(MLCC)の製品開発棟が完成したと発表。電気自動車や生成AIを運用するデータセンター向けに需要が伸びている。
・村田製作所は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)関連の工場をインドに新設する事を発表。同社がインドに生産拠点を置くのは初。2027年3月期中の稼働を目指し、10億円を投じて専用設備を導入予定。
・三菱商事やNTTなどは、人工知能(AI)を使った創薬を支援する共同実証実験を始めたと発表。製薬会社の研究開発拠点とAIの計算基盤となるデータセンターをNTTの次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」でつなぎ、データを高速かつ安全にやりとりできるようにする。
・ヒロセ電機は、自動車の電気制御ユニット(ECU)向けコネクターの新シリーズを発売したと発表。
・産業革新投資機構(JIC)は、富士通の子会社で半導体基板を手掛ける新光電気工業へのTOB(株式公開買い付け)を18日に始めると発表。期間は3月18日までで、中国とベトナムで競争法に基づく手続きが完了していないことを理由に、当初2024年8月下旬に予定していたTOBの開始を延期していた。
・イビデンは、半導体製造装置に組み込む黒鉛部材を増産する。半導体ウエハー原料の製造用部材など「特殊炭素製品」の生産能力を約50億円投じ、5割高める。