日本の電子部品・半導体業界の最新動向:増益と成長の予兆
- 半導体の会社
2024年の半導体・電子部品業界では、複数の要因によって明るい見通しが立っています。
円安の進行やAI関連製品の需要増加、スマホ向け商材が回復などが、主要な要因となっており、業界全体が回復基調にあります。
この記事では、最新のデータを基に、半導体・電子部品業界の現状と将来の展望について詳しく解説いたしますね。
増益の背景
2024年1Qの電子部品・半導体の主要企業19社の一過性損益を除いた営業利益は前年同期比で21%増加しました。
この増益の背景には、以下の三つの要因があります。
円安効果
円安が企業の収益に大きく寄与。
為替前提が見直され、円安の影響を受けて収益が増加しています。
スマホ向け需要の回復
スマホ関連製品の需要が回復しており、これが収益増加の一因となっています。
特にスマホ内蔵カメラのピントを調節し、手ブレを防止するアクチュエーターやスマホ向けやコンシューマ・モバイル向けなどの需要が堅調。
AI関連製品の収益寄与
AI関連製品の需要が急速に増加しており、生成AIサーバー向けの部品やモジュールが収益に貢献しています。
AIサーバー向けは、一般サーバーと比較して部品搭載個数が2倍以上(5倍とも10倍ともいわれている)に増加している影響があります。
企業別の業績予測
以下に、主要企業の業績予測をご紹介いたします。
ニデック
2024年4-6月期の売上高は6,040億円、営業利益は490億円と予想。
トラクションモータ全体では計画比80%
AIサーバー向けの水冷モジュールが計画通り50億程度でスタート。
日本航空電子工業
1Qは売上高は543億円、営業利益は33億円と予想。
円安効果が収益を押し上げており、日本車の品質不正問題の影響も軽微。
産業機器向けの回復が若干遅れている様子。
新光電気工業
1Qの 売上高は570億円、営業利益は85億円と予想。
リードフレームやICパッケージなど、半導体製造装置向け部材が円安効果により上乗せされる展開に。
村田製作所
1Qは売上高は4,200億円、営業利益は740億円と予想。
会社計画の想定以上に回復。それに加え円安メリットの上乗せ。
生成AIサーバー向けも上振れ傾向にある。
TDK
1Qの売上高は5,210億円、営業利益は435億円と予想。
二次電池の材料市況の低下による材料価格のっ引き上げは起こらなかったもよう。
磁気応用製品はHDD市場の回復で赤字縮小見込み。
2Q以降はスマホ向けデジタルマイクロホンの新規採用にも期待。
今後の展望
電子部品・半導体業界は、円安メリットやAI関連製品の需要増加によって今後も成長が見込まれています。
主要企業の業績予測も好調であり、今後の成長が期待されています。