CEO blog 社長ブログ

俺のディールに手を出すな

  • 営業
公開日:2025.09.04

私は現場が好きかつ最重要と考えているので、今でもお客様との商談や国内外の出張へ出かけることが多い。先日半導体事業の社員の商談に同行した際、自分が会社員だった20代の頃を思い出していた。当時の私のマインドは「俺のディールに手を出すな」であった。

 

20代といえば、上司に同行してもらうことが多い。優秀な上司であれば学びも多い。しかし、そのようなケースばかりではない。顧客や取引内容を全く知らない、ゴルフや飲みや昔話ばかり、どうでもいいことを喋りすぎる、暇で社内に居場所がないからついてきている、などといったケースも時にあった。これは愚痴っているのではなく、ファクトとして存在した。そんな時、皆さんはどうするだろうか?私の姿勢は一貫して「俺のディールに手を出すな」であった。

 

日本人は優しくて目上を立てる。したがってありがちなのは「上司が余計なことを言ったから、失注しました」である。そしてそれを肴に同僚と赤提灯で飲む。否定はしないが、そこで成長が止まるのは間違いない。

 

私は仕事のできない上司を商談へ同行させなかった。もちろん「あなたがいると失注するので、来ないでくださいね」とは言えなかった。それはヤバいのでおすすめしない笑。私がよく使っていたのは「○○さんに来てもらうほどではないです。私一人で対応しておきます」である。そうすると〇〇さんは大抵満足して来ない。しかも○○さんは上司の××さんに対して「新川がそう言っていたので、行きませんでした」と言い訳することもできる。しかしこれは注意が必要で、私一人で商談に失敗すると、会社にも迷惑がかかるし、上司からも同行を求められる。だから、自分が出来る限り最大の準備をして、MAXの集中力で商談に臨んでいた。

 

当時は大企業の社員だったので、私の商談の成否が直接給料に響くわけではなかった。正確に言えば賞与は多少多くもらえたが、上司との軋轢と比較した場合、上司とうまくやる方を選ぶ人が一般的には多いだろうと思う。でも、あなたはそれでいいのか?私は嫌だったし、今も嫌だ。せっかくの素晴らしいサービスが、純度100%で相手に伝わらないことに我慢ができない。それを誰かに邪魔されることに虫唾が走る。

 

だから、商談前に上司と部下は話し合うべきだ。ポイントは一つ「この商談で何を得ることを目指すのか?」それだけである。それは何かを売りつけろ、という話ではない。このプランをお客様に導入してもらえれば、確実にメリットがある。そのメリットを提示し、それに対しての具体的なフィードバックをもらう、みたいな感じである。そこもさらに解像度を上げて、いつまでにフィードバックがもらえるのか?場合によってはその日にサンプル発注まで目指すのか、というところまで解像度を上げて、上司と目線を合わせておかなければならない。そして、それをやろうとしない上司など連れて行かずとも良い。私が許そう。(誰?笑)

 

これからの時代は、自分で確固たる意志を持って仕事をしなければ全てAIに駆逐される。だってAIの方が賢いんだもん。AIに人類が勝てる部分、それは「俺のディールに手を出すな」というプライドと執着心とエゴだけだ。と私は思うし、当社の社員にはそう伝えている。そしてそのプライドは、会社のビジョン、当社でいえば「大切な人のトナリにいられる時間を増やす」と結びついているべきである。自分(と同化した会社)の強い想いを社会に出すこと、それでお金をいただくこと。それがプロの仕事の醍醐味だし、それが出来た後のビールの味は格別ですね。乾杯。

 

※サムネ写真は「俺のディールに手を出すな」時代。

Company
会社情報
Contact
お問い合わせ