半導体商社で働く魅力
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2018年に半導体商社トナリズムを起業して7期目になりました。現在社員は13名で、全員かけがえのない仲間です。(国内外グループ会社を合わせると33名)。と冒頭は良い感じで始まった本文ですが、半導体商社はどこも人手不足で大変です。一方、個人的には半導体商社はとても面白く将来性のある業界だと思っています。とはいえ課題を抱えていて、多くの商社はこのままでは厳しいと考えています。というわけで今回は、半導体商社のビジネスモデル、魅力、今後どうすべきか?について解説していきたいと思います。長文になりますが、半導体商社で働いてみたい人、興味がある人、投資したい人には絶対に参考になる内容なので、もし良かったら最後まで見て下さいね。まずは半導体商社のビジネスモデルから。
■半導体商社のビジネスモデル①デマンドクリエーション
半導体商社のビジネスの肝は、自社の取扱商品を顧客に販売し、使ってもらうことです。たとえばパナソニックのレッツノートというPCがありますが、これにはもちろん数多くの半導体が使われています。 パナソニックほどの規模になれば、メーカーから直接半導体を買うパターンもありますが、日本の商習慣では半導体商社が間に入ることも多い。 ここで半導体商社はパナソニックのような顧客に訪問し、「当社の取り扱うマイコンですが、新たな機能が追加されまして、次回のレッツノートに搭載しませんか?」というような営業をします。これが「デマンドクリエーション」です。
■半導体商社のビジネスモデル②物流ソリューション
物流ソリューションというと難しく聞こえますが、平たくいうと「顧客の代わりに在庫を持つ」ということで、これは半導体商社ビジネスの王道です。 半導体をメーカーから購入する際、MOQ(Minimum Order Quantity)で発注する必要があります。これはその名の通り、最低発注数量です。 そしてそれとは違う単位でSPQ(Standard Package Quantity)というものがあります。これは商品の1梱包あたりの数量です。 たとえばSPQが3,000個/リールの場合、1リール3,000個の商品。しかしMOQが15,000個の場合、3,000個×5リールを購入しなければなりません。 仮に年間に6,000個しか使わない場合、9,000個が在庫になってしまいますよね? これを半導体商社が代わりに15,000個買ってあげて、顧客が必要なタイミングで納品する、というのが「物流ソリューション」です。
■半導体商社のビジネスモデル③ファイナンス
半導体商社の営業はみんな知っていますが、ありえないほど長い決済条件を採用している顧客が存在します。 例えば、「納入月末締め翌月末日起算120日後手形」 これは、本日12/13に納品した場合、5/31に支払われるということです。 半導体メーカー、特に外資系メーカーはこの条件を受けられないので、半導体商社が間に入ります。資本が厚い会社はこの機能において有利になります。 半導体商社への就職活動、株式投資をする方は、この部分にも着目してみてはいかがでしょうか。
■半導体商社のビジネスモデル④技術サポート
半導体はトランジスタやダイオードのように「買って誰でもすぐ使える商品」とFPGAやイメージセンサーのように「使うのに技術サポートがいる商品」に分かれます。 前者は仕様書(データシートといいます)通りに実装すればよく、特別な技術サポートは不要です。つまり顧客の購入基準は、「価格と納期」になります。「カタログディストリビューター」と言われる、DigiKey 、Mouser、コアスタッフ、チップワンストップなどは「一つからすぐにネットで買える」ため、こちらに強いです。 次に後者ですが、こちらが大きな半導体商社の機能になります。先述の通り、例えばFPGAと呼ばれる半導体は、買ってすぐに封を開けて使えるわけではなく、顧客ごとにカスタマイズしなければなりません。 FPGAメーカーはAMDとIntelの二強で、AMD代理店は新光商事、PALTEK、Avnet。Intelの代理店はマクニカのみです。 私がマクニカの強みをよく投稿している理由は、例えば本件、IntelのFPGAを買いたいならマクニカから買うしかなく、他メーカーにおいても、このような充実した技術サポートで多くの顧客に信頼されているからです。
この4つのビジネスモデルを高次元で実現している半導体商社は日本にも数社しかありません。その一つはマクニカです。日本で初めて売上1兆円を超え、顧客、仕入先、財務ともに盤石です。他の会社は、ぜひこの機会にご自身で調べてみて下さい。
半導体商社は、上記の王道で戦ってもマクニカには勝てないので、独自の強みを発揮していく必要があります。他社は基板実装(EMS)を売りにする会社もあったりします。当社トナリズムは、アナログ半導体の開発ができる点が他社と明確に違います。大変ですがマーケットは900億ドルあるので、アップサイドはとても大きいです。
結構頑張って書きましたので、最後にトナリズムが今求めている人材について書きます。興味がある方はぜひHPの「採用情報」(お問い合わせでも良いです)や、X・LinkedInのDMからご応募下さい。最終面接には私も出ます。長い募集要項を書いても読まれないので、一言でいきます。
■共通条件:エレクトロニクスの力で、大切な人の「トナリ」にいられる時間を増やす。という当社のビジョンに共感できる、明るく素直で、やり抜ける方。
① FAE(技術営業):半導体商社 or メーカーのFAE経験者。当社が開発/代理店をしているICを拡販し、世界を変えたい方。
② 法人営業(幹部候補):半導体商社 or メーカーの法人営業経験者。現職の営業手法に古臭さ、限界を感じており、当社の事業を世界に広めたい方。
③ 法人営業(未経験可):明るさ、素直さ、やり抜く力なら誰にも負けない良い奴。
④ 半導体開発者:アナログIC開発の天才エンジニア。TIを超えたい方。
⑤ マーケティング/広報責任者(新川直下):適切な媒体を選び、エキセントリックに、時には王道で、トナリズムと新川の魅力を世界へ伝えることができる天才。
⑥ OEM/ODM事業責任者(新川直下):家電を中心にOEM/ODMを一気通貫で推進できる方。
⑦ 人材紹介営業(未経験可/新川直下):明るさ、素直さ、やり抜く力なら誰にも負けない良い奴。
⑧ CxO(新川直下):COO, CFO, CMO,CTO,CHROなど。我こそはトナリズムを一段上に運ぶ者である。という天才。
今回の記事で、半導体商社に興味を持つ方が増えればなと思いつつ、当社への応募もあれば嬉しいです。一度の人生、一緒に熱くなろうぜ。