ギターを半導体に持ち替える
- 経営
↑写真はバンド時代(左から二番目が私)
皆さん、良いGWを過ごせましたか?私は帰省、家族旅行、ジムなど、充実した休暇を過ごしました。今日から切り替えて、燃えていきましょう!GW明け初日は、私の学生時代の話をしたいと思います。
学生時代、私は「普通の会社員にはなりたくない」と思っていました。大学で人文学部の心理学科に進んだのも、「経済や経営を学ぶ=卒業後は会社員」と進んでしまいそうなことに、何となく抵抗があったからです。かといって、大学ではろくに勉強もせず、熱中したのがバンド活動でした。私はボーカルとギターの担当で、自分で曲を作り、詞も書いていました。
大学3年になると、周囲は一斉に就職活動を始めます。しかし、私はロン毛で茶髪のまま。やはり、就職したいとは全く思えませんでした。
そんなときに、叔父とお酒を飲む機会がありました。叔父は建築系の会社員で、出世もしていた。それでいて、私よりもギターがずっとうまかったんですね。仕事も趣味も充実している叔父を見て、素直に「格好いいな」と思いました。そのときです。ぼんやりと「会社員もいいのかな」と考えるようになったのは。
その後もバンドは続けました。NHKの番組に出る機会もあったし、大きな会場でライブをしたり、CDを出したりもしました。でも、結局は売れなかった。そして、なりたくなかったはずの会社員になることを選びました。
しかし、ここで思わぬ「誤算」がありました。トヨタグループ系の豊通マテリアルで働き始めると、私が勝手に思い描いていた「普通の会社員」なんて、一人もいなかったんですね。クリエイティブで付加価値の高い事業を次々に生み出す人。新卒にもかかわらず頭のキレと行動力がすさまじい人。高いコミュニケーション力で周囲を巻き込んで大きな結果を出す人。そんな人たちと働くことができ、社会人としての基礎を築くことができました。何より、トヨタグループの人たちの仕事に対する厳しさを間近で感じ、ビジネスの難しさを学ぶことができたのは、独立した今でも私の貴重な財産です。
その後、外資系企業に転職しましたが、会社員生活があまりにも充実していて、「起業」という言葉すら思い浮かびませんでした。起業を具体的に考えるようになったのは、半導体商社「フューチャーエレクトロニクス」でトップセールスの実績を挙げ、独立への確かな自信を持てるようになってからのことです。
思えば、どんなに小さな事業でも自分一人で責任を持ってやりきると、その分リターンも大きい。純粋に、そこに醍醐味を感じたことも、起業を決めた大きな要因だと思います。
今の時代、本はもちろん、インターネットを通じて様々な情報を仕入れることができます。起業当初、私は親友から影響を受けて、アフィリエイトサイトを始めたのですが、サイトに必要なドメインやサーバーに関して、知識はほぼゼロの状態でした。それでも、自分一人で調べて始めるのが本当に楽しかった。何か新しいことを始めるとき、教わる人がいなくても、自分で調べて腹落ちした状態で実行に移す。その結果、何かしらの成果を挙げることができる――。このプロセスで得られる喜びや楽しみは、会社員時代よりもずっと大きいと感じています。
思い返せば、バンド活動もそうでした。自分で曲を作るときには、他の曲のコード進行を調べたり、そもそもコードも覚えないといけなかったり。気になるミュージシャンがいたら、すぐに検索です。この人はどんな系譜で、どのアルバムでグラミー賞を取って・・・。いろいろな知識を仕入れると、音楽がいっそう楽しくなりました。
私一人で始めたトナリズムも、今ではグループ会社を含めて社員33人、顧客数も1,000社まで増えました。起業や会社運営に必要なこと、気になることを黙々と自分で調べ、一つひとつ行動に移してきました。そして気付けば、採用や仕事を通じて、素晴らしい人たちと出会うことができています。学生時代には想像もつかなかった人生ですが、充実した日々を送れていることに感謝したいと思います。
手前味噌ですが、私は学生時代のバンドも、起業当初のアフィリエイトも、現在の半導体事業、海外投資、不動産開発も全て本気で取り組んでいます。本気で取り組むと、得るものが違います。成功すればラッキー、失敗しても知見は残る。
「体育会系は就職に有利」と言われて久しいですが、「何かに本気で取り組んだ経験」が評価されているんですよね。本気でやる人はいつもカッコいいです。
私はギターを半導体に持ち替えて、今日も激しく燃えています。あなたの夢は何でしたか?今も追えていますか?もし追えていないなら、次は何に持ち替えますか?